早稲田大学の総合型選抜は、学部ごとに「別の入試」|主要方式の出願条件・選考・日程の全体像と対策【2027年度】

早稲田の総合型選抜は全学一括の制度ではなく、学部ごとの独自入試です。社会科学部の全国自己推薦、国際教養のAO、人間科学部のFACT、文化構想のJCulP、6学部で実施される地域探究・貢献入試——要項も出願時期も選考もすべて異なります。共通するのは、評定4.0や筆記審査、共通テストなど、基礎学力の裏付けを必ず求める設計です。「総合型=学力不問」が最も通用しない大学のひとつと言えます。

エクシオの視点

「早稲田の総合型」はひとつではない。方式選び=出願資格の照合から始まる

社会科学部は評定4.0+活動実績+英語資格、人間科学部FACTは評定3.9+理科国語4.1+履修要件、国際教養は当日の筆記審査、地域探究・貢献入試は共通テスト240点(300点満点)。学部ごとに「入口の条件」も「測られる力」も全く違います。まず自分の評定・履修・資格で出願できる方式を特定することが、対策のすべてに先行します。

そのうえで共通するのは、書類の「語り」だけでは決まらないことです。小論文・Critical Writing・論述試験・総合試験——どの方式にも当日の筆記があります。初見の資料を理解し、根拠を示して論じる練習を、書類作成と並行して積むことが早稲田対策の中心になります。

併願ルール

  • ◯ 他大学との併願 — 掲載方式はいずれも専願ではない旨が要項に明記されています(例:社学「併願を妨げることは一切ありません」)。
  • ✕ 地域探究・貢献入試の学部併願 — 6学部で実施されますが、出願時に1学部のみ選択。学部・学科の併願はできません。
  • ✕ 10月25日の重複 — 地域探究・貢献入試の2次選考と国際教養AOの筆記審査は同日(2026年10月25日)のため、実質的に併願できません(要項に注記あり)。

FACT選抜は「当学部への入学を第一志望とする者」、JCulPは「学ぶことを強く希望する者」が出願資格です。併願可否と第一志望要件は方式ごとに必ず要項で確認してください。

方式は大きく3タイプ。自分の武器で選ぶ

  • タイプ 1:自己推薦型(活動実績×評定) — 社会科学部 全国自己推薦。評定4.0+都道府県以上の大会・生徒会・資格等の実績+英語資格が入口。全国7地域ブロックごとに5名程度を選抜。
  • タイプ 2:学力審査型(当日の筆記で勝負) — 国際教養AO(Critical Writing)、人間科学部FACT(論述+面接)、地域探究・貢献入試(総合試験+共通テスト240/300点)。
  • タイプ 3:国際プログラム型 — 文化構想JCulP(英語による面接)。政経のグローバル入学試験は海外就学経験者対象で、国内生向け総合型とは別物です。

出願から合格発表までのスケジュール(2027年度)

種別時期内容・対象逆算の目安
出願2026年9月1日〜8日国際教養AO(国内選考)/人間科学部FACT(JCulPは志願者情報登録9/1〜7・検定料納入は8/24から)夏前に事前課題・エッセイ対策と資格の確認を
出願9月1日〜10日地域探究・貢献入試(法・教育・文構・文・人科・スポ科)課題レポート(PC作成)と共通テスト出願の準備
出願9月25日〜10月1日社会科学部 全国自己推薦活動証明書類(学校・関係機関の厳封)は取り寄せに時間がかかるため前倒しで
試験10月10日人間科学部FACT 2次選考(論述試験+面接)事前課題との一貫性を口頭で説明できる状態に
試験10月25日国際教養AO 筆記審査(Critical Writing+日本語エッセイ)/地域探究・貢献入試 2次総合試験(同日のため実質併願不可)初見資料の読解・論述演習を直前まで
試験11月22日社会科学部 全国自己推薦 第二次選考(小論文+面接・早稲田キャンパス)書類に書いた活動を深掘りされる前提で
試験12月6日文化構想JCulP 第2次試験(英語による面接)自分の関心を英語で議論する練習
発表11月〜2月合格発表(FACT 11/1・国際教養 11/23・社学2次 12/11・JCulP 12/17。地域探究は共通テスト を経て2027年2月)方式ごとの発表日から次の一手を設計

学部別の方式ガイド

社会科学部「全国自己推薦入学試験」

注意:活動実績(都道府県以上の大会・生徒会・資格・学校外活動のいずれか)が出願資格。証明書類は学校・関係機関の厳封が必要

注意:出願書類の生成AI使用は不正行為とみなされる可能性があります

  • 評定基準:4(卒業見込者は3年1学期(前期)まで。加えて欠席日数45日以内の要件あり)
  • 英語資格:英検CSE1950以上・IELTS4.0以上・TEAP225以上・GTEC CBT930以上等(いずれか1つのスコア提出が出願資格。自宅受験型は無効)
  • 募集人員:35名(各地域ブロック5名程度)
  • 出願:出願は2026年9月25日〜10月1日(1次発表11/13・2次11/22・最終発表12/11)
  • 選考:第1次=書類選考(志望理由書800字以内・活動記録報告書・調査書等を総合評価)/第2次=小論文+面接(2026年11月22日・早稲田キャンパス)
  • 評価の核:全国を7つの地域ブロックに分け、各ブロックから5名程度を選抜する独自方式。成績・活動記録・出席状況を総合評価。活動の「立証」(学校・関係機関の証明印つき書類)が求められる。

エクシオの視点:地域ブロック制のため、競う相手は「全国」ではなく「同じブロックの出願者」。評定4.0と英語資格という入口を満たしたうえで、活動の証明書類を夏のうちに揃えられるかが勝負です。

対策記事:早稲田大学社会科学部の総合型選抜(全国自己推薦入試)対策

国際教養学部「AO入学試験(総合型選抜)〈4月入学・国内選考〉」

注意:筆記審査(10/25)は地域探究・貢献入試の2次選考と同日のため、実質的に併願できません

  • 評定基準:数値基準なし(評定の数値基準の記載なし。ただし調査書(学校長作成・厳封)の提出必須=提出できない者(高認合格者等)は出願不可)
  • 英語資格:数値基準なし(出願資格としての英語資格要件の記載なし)
  • 募集人員:95名
  • 出願:出願は2026年9月1日〜8日(筆記審査10/25・合格発表11/23)
  • 選考:第1次=書類審査(出願者全員が対象)/第2次=筆記審査(出願者全員が対象。Critical Writing 120分+志望理由に関するエッセイ〈日本語〉30分。2026年10月25日・早稲田キャンパス)
  • 評価の核:与えられた資料を理解・分析したうえで自分の考えを表現する力(Critical Writing)。1次で絞らず、出願者全員が筆記審査を受ける設計。

エクシオの視点:書類で落とさず全員に筆記審査を課す=「当日の知的体力」で決まる方式。過去問型の対策よりも、英文資料を読んで論点を組み立てる練習の量が直結します。

対策記事:早稲田大学国際教養学部(SILS)のAO入試対策|英語資格と書類・筆記

文化構想学部「国際日本文化論プログラム(JCulP)日本学生入学試験」

  • 評定基準:数値基準なし(評定の数値基準の記載なし)
  • 英語資格:英語4技能テストの基準点以上の結果提出が出願資格(基準点の数値は要項の表で確認。MyBestスコアは利用不可)
  • 募集人員:15名
  • 出願:志願者情報登録は2026年9月1日〜7日(検定料納入は8/24から・1次発表11/19・2次12/6・最終発表12/17)
  • 選考:第1次=書類審査(TAOでのオンライン出願・志望理由書等)/第2次=英語による面接試験(2026年12月6日)
  • 評価の核:日本文化を英語で学ぶプログラム(多元文化論系)。英語で考え、話す力と、プログラムへの強い志望。

エクシオの視点:面接が英語で行われる数少ない方式。スピーキング試験の対策ではなく、「自分の関心を英語で議論できる」状態を作るのが目標です。

対策記事:早稲田大学文化構想学部のJCulP(国際日本文化論プログラム)対策

人間科学部「FACT選抜」

注意:履修要件(理科・国語・数学)が細かいため、要項の出願資格A〜Fを最初に照合してください。基準を満たすか不明な場合は事前の出願資格審査を申請できます

  • 評定基準:全体3.9以上かつ理科・国語の全科目平均4.1以上(理科3科目以上(専門理科1科目以上必須)・国語3科目以上・数学Ⅰ/Ⅱ/A/B履修・欠席40日以内の要件も。年度で変わる数値)
  • 英語資格:指定の外国語資格・検定試験いずれか1つの提出必須(スコア基準なし)(英検・TOEIC・TOEFL・IELTS・独仏中西の検定等。自宅受験型は対象外)
  • 募集人員:3学科全体で若干名(学科の併願不可)
  • 出願:出願は2026年9月1日〜8日(2次10/10・最終発表11/1)
  • 選考:第1次=書類審査(事前課題を含む。2026年9月1日〜8日出願・1次発表9/25)/第2次=論述試験+面接試験(2026年10月10日・最終発表11/1)
  • 評価の核:「5つの力CLEAR」(対話・論理・表現・分析・省察)。データを客観的に読み解き、科学的知見と結びつけて分析し、わかりやすく提示する力。

エクシオの視点:評定3.9+理国4.1という高い基準に加えて履修要件が細かい方式。まず調査書と要項A〜Fの照合から。合えば、11月1日という早い最終発表は大きな魅力です。

対策記事:早稲田大学人間科学部の総合型選抜(FACT選抜)対策

法・教育・文化構想・文・人間科学・スポーツ科学の6学部「地域探究・貢献入試」

注意:総合型選抜としては珍しく、大学入学共通テストの受験が必須。2次合格後、共通テスト3教科(学部ごとに指定科目)で240/300点以上が合格条件

注意:2次選考(10/25)は国際教養AOの筆記審査と同日のため、実質的に併願できません

  • 評定基準:数値基準なし(評定の数値基準の記載なし)
  • 英語資格:数値基準なし(出願資格としての英語資格要件の記載なし(共通テストで外国語を受験))
  • 募集人員:各学部(募集単位ごと)若干名
  • 出願:出願は2026年9月1日〜10日(2次10/25・共通テスト2027年1月・最終発表2月)
  • 選考:第1次=書類審査(課題レポート=パソコン作成必須・入学志願票等。2026年9月1日〜10日出願)/第2次=総合試験(筆記120分・論理的思考力を問う。2026年10月25日)→最終選考=大学入学共通テスト3教科
  • 評価の核:地域課題の探究・貢献活動を課題レポートで示し、総合試験で論理的思考力を、共通テストで基礎学力を確認する3段階設計。共通テスト(300点満点)で240点以上が合格基準。

エクシオの視点:「書類と面接で決まる総合型」を想定すると設計を誤ります。共通テスト8割(240/300)が最後の関門なので、探究活動と教科学習の両立計画が前提です。法学部志望で「自己推薦」を探している方は、この方式が対象です。

対策記事:早稲田大学法学部の総合型選抜は「地域探究・貢献入試」|全国自己推薦との違い

政治経済学部「グローバル(海外就学経験者)入学試験」

注意:【重要】海外就学経験者(帰国生)対象の入試です。国内の高校からの一般的な総合型選抜ではありません。国内生は他方式(地域探究・貢献入試等)を確認してください

  • 評定基準:専用要項で確認
  • 英語資格:英語能力が審査対象。基準は専用要項で確認
  • 募集人員:専用要項で確認
  • 出願:専用要項で確認
  • 選考:第1次=書類審査/第2次=筆記試験・面接(詳細は専用要項で確認)
  • 評価の核:出願書類・英語能力・筆記試験・面接により、資質・個性・経験・熱意を評価。

エクシオの視点:「政経に総合型で入りたい」と検索してたどり着く方が多い方式ですが、対象は海外就学経験者です。国内生の場合は、他学部の方式か一般選抜を含めた設計に切り替えるのが現実的です。

対策記事:早稲田政治経済学部グローバル入試AO対策ガイド

よくある質問

早稲田大学の総合型選抜は専願ですか。

掲載している方式はいずれも専願ではなく、他大学との併願が可能である旨が各要項に明記されています。ただしFACT選抜は「当学部への入学を第一志望とする者」が出願資格です。

評定平均の基準はありますか。

方式によります。社会科学部の全国自己推薦は4.0以上、人間科学部FACTは全体3.9以上かつ理科・国語の全科目平均4.1以上。国際教養AO・JCulP・地域探究・貢献入試には評定の数値基準の記載がありません(国教は調査書の提出自体は必須)。

共通テストは必要ですか。

地域探究・貢献入試のみ必要です。最終選考で共通テスト3教科(300点満点)を利用し、240点以上が合格基準と要項に明記されています。他の掲載方式に共通テストはありません。

英語資格は必要ですか。

社会科学部(英検CSE1950以上・IELTS4.0以上等の基準あり)、JCulP(基準点以上の提出必須)、FACT(提出必須だがスコア基準なし)で必要です。国際教養AO・地域探究・貢献入試の出願資格には英語資格の要件はありません。

いつから準備を始めるべきですか。

出願は早い方式で2026年9月1日から。社会科学部は活動証明書類(学校・関係機関の厳封)の取り寄せ、FACTは事前課題、地域探究は課題レポートが必要なため、高3の春〜夏前には方式を確定して逆算を始めるのが現実的です。

掲載情報の出典と最終確認日

  • 早稲田大学 社会科学部「2027年度 全国自己推薦入学試験 入学試験要項」
  • 早稲田大学 国際教養学部「AO入学試験要項(総合型選抜)〈2027年4月入学・国内選考〉」
  • 早稲田大学 文化構想学部「JCulP(国際日本文化論プログラム)日本学生入学試験要項 2027年度」
  • 早稲田大学 人間科学部「FACT選抜 入学試験要項(2027年4月入学)」
  • 早稲田大学 入学センター「2027年度 地域探究・貢献入試 入学試験要項」

いずれも2026-08-25確認。募集人員・出願資格・日程は年度で変わります。出願の際は必ず大学公式の最新の募集要項をご確認ください。