志望理由書は何割埋める?字数の目安と足りない時の対処
監修:エクシオアカデミー 教務部
志望理由書の字数指定に対して何割書けばよいかは、出願直前に多い質問です。結論から言うと、指定字数の9割以上が目安になります。「800字以内」なら720字以上、「1000字程度」なら900字以上、「1200字以上」であれば1200字を必ず超えます。ただし、この記事で本当に伝えたいのは割合の話ではありません。字数が足りないという状態は、形式の問題ではなく、評価される項目のどれかが書かれていない状態がそのまま表れたものです。したがって対処は「埋める」ことではなく、「抜けている項目を足す」ことになります。
指定の書き方ごとの目安
| 指定の書き方 | 下限の目安 | 上限 |
|---|---|---|
| 〇字以内 | 9割 | 指定字数ちょうど。1字も超えない |
| 〇字程度 | 9割 | 1割超まで。超えるより足りないほうが目立つ |
| 〇字以上 | 指定字数 | 明記が無ければ1.2倍程度まで |
| 〇〜〇字 | 下限の字数 | 上限の字数。中央より上に寄せる |
| 原稿用紙〇枚 | 最後の1枚の8割 | 枚数内 |
「以内」と「程度」の違いは、超えてよいかどうかです。「以内」は1字も超えられません。「程度」は1割程度の超過が許容される場合もありますが、解釈は大学によって異なるため、超える方向は避けるのが安全です。
字数の指定と数え方(改行・句読点・空白を含むか)は大学・学部・入試方式で異なり、年度によって変わります。出願の際は必ず最新の募集要項で確認してください。
なぜ9割なのか
この数字は慣習ではなく、読み手の見方から来ています。
大学の教員は、志望理由書を「入学後に学び続けられるか」を判断する材料として読みます。字数が大きく足りない志望理由書は、この学部について語れることが少ないという情報として受け取られます。 7割以下だと、内容の評価に入る前に準備の段階で止まっている印象になります。8割は内容次第ですが、多くの場合、次に挙げる項目のどれかが抜けています。
足りないときに足す項目の順番
字数が足りないとき、導入を長くしたり同じことを言い換えたりして埋めようとすると、読み手にはすぐ分かります。足すべきは次の順です。いずれも、志望理由書で評価される項目そのものです。
- 自分で調べた結果(80〜150字)。統計を自分で集計した、書籍で論点を整理した、身近な人に聞いた、といった作業の結果を数字で書きます
- それでも明らかにできなかったこと(40〜80字)。ここを書くと、大学で学ぶ必然性が生まれます
- 現象を説明する枠組み(60〜120字)。関心の対象だけを述べた書類は、関心の表明にとどまります。どの分野のどの考え方で捉えるのかを1つ挙げます
- 学部の学びとの対応(80〜120字)。2で挙げた限界と、その大学の手法・実習・分野との対応を書きます
- 入学後の学びの段階(60〜100字)。学年ごとに何を身につけるかを2段階で書きます
8割で止まっている志望理由書は、この5つのうち2〜3つが抜けています。上から順に確認すれば、何を足せば9割に届くかが分かります。1と2の作り方は志望理由書2000字が埋まらない時の書き方で、2000字を例に詳しく扱っています。考え方は800字でも同じです。
足しても評価が上がらないもの
- 導入の前置き(「私は幼い頃から」「貴学は歴史ある」)。結論の前に置く情報は読み飛ばされます
- 同じ内容の言い換え。読み手は重複に敏感です
- 形容詞や副詞(「とても」「非常に」「大変」)。内容が増えないまま字数だけ増えます
- 二つ目の関心分野。「また、〜にも興味があります」は一貫性を崩し、一つ目の関心まで薄く見せます
- 将来の職業の説明。600〜800字の指定で100字を使うと、評価項目を書く余地が消えます
超えてしまったときに削る順番
上限を超えた場合は、足す順番のちょうど逆から削ります。
- 導入の前置きと情景描写
- 形容詞・副詞
- 同じ趣旨の文の重複
- 二つ目のエピソード(面接で話す材料に回します)
- 将来像の詳細
削っても残すのは、調べた結果、明らかにできなかったこと、枠組み、学部の学びとの対応の四つです。字数別の配分は志望理由書800字の構成テンプレと例文・時間配分と志望理由書1000字の書き方|薄まらない構成と密度術で扱っています。
字数の数え方は提出形式で違います
何割埋めたかを判断する前に、数え方を確認しておく必要があります。
| 提出形式 | 句読点 | 改行 | 段落頭の字下げ |
|---|---|---|---|
| 原稿用紙(手書き) | 1マス | 行末まで消費 | 1マス |
| Web出願のテキスト欄 | 1字 | 大学による | 通常なし |
| 文書ソフトで作成 | 1字 | 含めないことが多い | 1字 |
原稿用紙では、段落を変えるたびに行末の空きマスが字数に数えられるため、実際の文字数より埋まって見えます。一方でWeb出願で「改行を含めて800字」と指定されている場合、空行を入れるとその分だけ本文が削られます。段落の切り方と改行の扱いは志望理由書の段落構成|何段落で書くか字数別の分け方で扱っています。
提出まで時間がないとき
出願直前で8割にしか届いていない場合、残り時間で何をするかを決めます。
- 3日以上ある場合:上の1〜3を調べ直して書き足し、第三者に1回読んでもらいます
- 1〜2日の場合:1と2、つまり自分がすでに持っている事実を足します。調査が必要な3・4は手元の資料の範囲にとどめます
- 当日の場合:水増しはしません。8割でも筋が通っている原稿のほうが、無理に伸ばして一貫性を崩した原稿より読まれます
当日に導入を長くして字数を合わせると、前置きが厚く中身が薄い書類になります。短期間での仕上げ方は志望理由書が間に合わない時の書き方|残り2週間・1ヶ月の手順を参照してください。
よくある質問
「800字以内」で650字です。出しても大丈夫ですか
出せますが、上の1と2を確認してから提出することをおすすめします。多くの場合、自分で調べた結果と、そこで残ったことのどちらかが抜けています。この二つを足すと720字前後になり、9割に届きます。
「1000字程度」で1080字になりました。削るべきですか
「程度」であれば1割程度の超過が許容されることもありますが、扱いは大学によって違います。要項に定義が書かれていなければ、1000字以内に収めるのが安全です。削る順番は、前置き、形容詞、重複の順です。
小論文でも9割ですか
小論文も9割以上が目安ですが、見られているものが違います。志望理由書は語れることの量、小論文は論を展開しきる量です。小論文の字数については小論文の文字数は何割書く?足りない原因と埋め方で扱っています。
まとめ
- 志望理由書は指定字数の9割以上。「以内」は超えない、「程度」は前後1割、「以上」は下限を厳守
- 字数不足は形式の問題ではなく、評価項目が抜けている状態が表れたもの
- 足すのは、調べた結果・残った限界・枠組み・学部との対応・学びの段階の順
- 前置き・言い換え・形容詞・二つ目の関心では評価は上がらない
- 数え方は提出形式で違う。最新の募集要項で確認する
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この記事の監修者
エクシオアカデミー 教務部
監修責任者:代表講師 髙久大輝
総合型選抜・学校推薦型選抜の指導を担当する教務部が、公開前に内容を確認したうえで掲載しています。年度で変わる入試情報は断定を避け、必ず大学公式の募集要項の確認をご案内しています。