志望理由書の段落構成|何段落で書くか字数別の分け方
監修:エクシオアカデミー 教務部
志望理由書を何段落で書けばよいかという質問には、字数でほぼ答えが出ます。800字なら4段落、1200字なら5段落、1500字なら6段落、2000字なら6〜7段落が目安で、1段落は150〜350字に収まります。ただし、段落数そのものが評価されるわけではありません。段落は文章の見た目の区切りではなく、読み手が順に確かめていくことの区切りです。この記事では、その順序と字数別の早見表、段落を切る位置の判断、改行の扱いを扱います。
段落の順序は、読み手が確かめる順序です
志望理由書を読む大学の教員は、次のことを順に確認しています。段落は、その確認の単位に対応します。
| 順序 | 読み手が確かめること | 段落に書く内容 |
|---|---|---|
| 1 | 何を明らかにしたいのか | 志望分野と問いの結論 |
| 2 | その関心は本物か | 問いが生まれた場面と違和感 |
| 3 | 自分でどこまでやったのか | 調べた結果と、そこで残ったこと |
| 4 | なぜうちの大学なのか | 残った部分を埋める手法と、この学部である理由 |
| 5 | 筋が通っているか | 問いの行き先 |
この順序を守ると、読み手は迷わず読み進められます。逆に、きっかけの場面から書き始めて結論が最後に来る構成では、読み手は志望分野を最後まで保留したまま読むことになり、判断の材料を組み立てにくくなります。書き出しの型は志望理由書の書き出し例|引き込む型と避けたい定型文で扱っています。
字数が増えるということは、この5つのどれかを二つの段落に割けるようになる、ということです。800字では3と4を圧縮して4段落になり、1200字では3が独立し、1500字ではさらに「自分がやったこと」と「その意味づけ」を分けられます。
字数別の段落数と配分の早見表
| 指定字数 | 段落数 | 段落の構成 | 1段落の字数 |
|---|---|---|---|
| 400字 | 3 | 結論/きっかけと問い/調べた結果と大学 | 40〜250字 |
| 600字 | 4 | 結論/きっかけと問い/調べた結果と限界/大学 | 50〜260字 |
| 800字 | 4 | 導入/問いと調べた結果/大学での研究/結び | 80〜350字 |
| 1200字 | 5 | 導入/きっかけ/位置づけと仮説/結果と限界/大学 | 80〜420字 |
| 1500字 | 6 | 1200字の型+高校での行動を独立 | 80〜420字 |
| 2000字 | 6〜7 | さらに別の場面での再現性を加える | 150〜400字 |
1段落が400字を超えたら分けるのが原則です。400字を超える段落は、読み手が一息で追えず、内容の切れ目を見失います。各字数の配分は志望理由書400字、600字、800字、1200字、1500字の各記事で個別に扱っています。
段落を切る位置の判断
どこで段落を変えるか迷ったときは、次の三つで判断します。
- 役割が変わるところで切る。きっかけの話から「なぜこの大学か」に移る瞬間が切れ目です
- 時間が変わるところで切る。「高校2年のとき」から「入学後は」に移るなら別の段落です
- 主張が2つ入ったら切る。「〜を学びたい。また、〜にも関心がある」は分けるか、片方を落とします
一方で、次の場合は分けません。同じ場面の描写が続いているとき、理由とその根拠が並んでいるとき、そして結びの中で新しい話題に移りたくなったときです。三つ目については、段落を分けるのではなく、その話題を本論に戻すか、書かないかを選びます。
段落の頭に置く一文
各段落の最初の一文を、その段落の要約にします。読み手が段落の頭だけを拾い読みしても筋が通る状態が理想です。
- 結論の段落 — 私は〜を明らかにしたいと考え、貴学△△学部を志望する
- きっかけの段落 — この問いは、〜という場面から生じている
- 調べた結果の段落 — そこで私は〜を調べた
- 大学の段落 — 私に足りないのは関心ではなく、〜である
- 結びの段落 — 〜を、感覚ではなく事実として説明できるようになりたい
この5つを先に書いてから、それぞれの下に根拠を足していくと、書いている途中で構成が崩れません。
改行・空行・字下げの扱い
段落構成と一緒に迷いやすいのが、見た目の整え方です。提出形式によって扱いが変わります。
| 提出形式 | 段落頭の字下げ | 段落間の空行 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 原稿用紙・指定の用紙 | 1字下げる | 空けない | 改行のたびに行末の空きマスが字数を消費する |
| Web出願のテキスト欄 | 下げないことが多い | 大学の指示に従う | 改行が字数に含まれるかを要項で確認する |
| 文書ソフトで作成して印刷 | 1字下げる | 空けない | 空行を入れると行数指定を超えやすい |
Web出願で「改行を含めて1200字」と書かれている場合、空行を入れるとその分だけ本文が削られます。段落を分けたいときは、空行ではなく改行1回で区切るのが安全です。
段落数が合わないときの直し方
段落が多すぎる場合
800字で7段落というように、1段落が100字前後になっている状態です。読み手には、箇条書きを文章の形に直しただけに見えます。役割が同じ段落を結合してください。きっかけの場面とそこで抱いた問いが別の段落になっているなら、一つにまとめます。
段落が少なすぎる場合
1200字で2段落というように、1段落が500字を超えている状態です。役割の変わり目を探して切ります。多くの場合、きっかけと調べた結果が混ざっているか、調べた結果と大学の話が混ざっています。
段落ごとの字数が偏っている場合
きっかけの段落だけ400字あり、調べた結果が100字しかない、という偏りは、内容の偏りをそのまま映しています。この場合、段落を切り直しても直りません。きっかけの描写を削り、調べた結果を足すという、内容の側の修正が必要です。 何を足せばよいかは志望理由書は何割埋める?字数の目安と足りない時の対処で、評価項目ごとに整理しています。
段落構成の例(800字・4段落)
骨格だけを示します。志望理由書は「だ・である」の常体で書きます。 ①〜④が段落です。
①私は、地域の小売店が減ることが高齢者の生活に何をもたらすのかを明らかにしたいと考え、貴学△△学部を志望する。
②祖母が通っていた青果店が閉店し、片道40分かけて隣町へ通うようになった。買い物に出る回数が減るにつれ、外出そのものが減っていった。店が減ることは、不便さの問題としてだけ語られてよいのだろうか。
③そこで私は、町内の高齢者20人に買い物の頻度と移動手段を聞き取った。週1回以下しか買い物に出られない人が14人おり、そのうち9人は移動手段を持っていなかった。一方で、近隣に頼れる相手がいる人は頻度が下がっていなかった。ただし20人という範囲では、この違いが偶然かどうかを確かめられない。貴学△△学部では、地域経済を自治体や商店街と連携した調査を通じて学べると理解している。
④統計と調査法を学び、移動手段と地域内の関係のどちらが頻度を左右しているのかを明らかにしたい。祖母の一日を短くしたものが何だったのかを、事実として説明できるようになりたい。
①が結論、②がきっかけと問い、③が調べた結果と限界に大学の話を接ぎ、④が学びの計画と結びです。800字では③に二つの役割を持たせ、1200字では③を「調べた結果」と「大学での研究」の二段落に分けます。各段落の頭の一文が、その段落の要約になっている点も確認してください。結びの型は志望理由書の締め方|結びの例文5パターンと最後の一文で扱っています。
段落の数え方や設問の指定は大学ごとに異なります。出願の際は最新の募集要項で、字数の数え方とあわせて確認してください。
よくある質問
段落の数は評価に影響しますか
段落数そのものが採点されることはまずありません。影響するのは読みやすさと、段落ごとに役割が整理されているかどうかです。1段落が400字を超える状態や、100字未満の段落が並ぶ状態は、内容が整理されていない印象を与えます。
「きっかけ」の段落は必ず必要ですか
400字程度の短い指定では、結論の段落に1〜2文で含めてもかまいません。600字以上では独立させるのが一般的です。きっかけが無いと、志望動機が大学案内の要約に見えやすくなります。
設問が複数ある場合はどう分けますか
設問ごとに段落を切り、設問の順に書きます。一つの設問に2段落以上使う場合は、その設問の字数指定の範囲で本記事の配分を当てはめてください。
まとめ
- 段落は見た目の区切りではなく、読み手が確かめることの区切り
- 順序は結論・きっかけ・調べた結果・大学・結び。字数が増えるとどれかが二つに割れる
- 段落数は字数で決まる。800字は4、1200字は5、1500字は6が目安
- 1段落は150〜350字。400字を超えたら役割の変わり目で切る
- 字数の偏りは段落の切り直しでは直らない。内容の側を修正する
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この記事の監修者
エクシオアカデミー 教務部
監修責任者:代表講師 髙久大輝
総合型選抜・学校推薦型選抜の指導を担当する教務部が、公開前に内容を確認したうえで掲載しています。年度で変わる入試情報は断定を避け、必ず大学公式の募集要項の確認をご案内しています。