志望理由書の結びの書き方|意欲が伝わる締め方の型
監修:エクシオアカデミー 教務部
志望理由書の結び方に迷ったら、「大学で学ぶ内容」「将来のビジョン」「入学への意欲」の3点を1〜2文で凝縮するのが基本の型です。冒頭で立てた志望動機と最後の結論がねじれていないかを確認し、抽象的な決意表明ではなく「その大学・学部でなければならない理由」を再確認する一文で締めることで、読み手に一貫した印象を残せます。この記事では、総合型選抜・学校推薦型選抜の志望理由書における結び部分の型と、避けたい表現を具体的に整理します。
志望理由書の「結び」が重要視される理由
志望理由書は多くの場合、書き出し(導入)・本論(動機や活動実績)・結論(結び)という三部構成で書かれます。結びは分量としては短くても、読み手が最後に目にする部分であり、その大学で学びたいという意欲が具体的に伝わるかどうかを左右する箇所です。
選考担当者は限られた時間で多くの書類に目を通します。本論でどれだけ丁寧に活動や動機を書いても、結びが「頑張ります」「精一杯努力します」といった曖昧な言葉で終わってしまうと、それまでの内容の印象まで薄れてしまうことがあります。逆に、結びで学部の学びと将来像を簡潔に結び付けられれば、書類全体に一本の筋が通って見えます。
結びに入れるべき3つの要素
結びの段落は長く書く必要はありません。むしろ短く要点を絞ることが大切です。一般的に効果的とされる要素は次の3つです。
- 大学・学部で学びたい具体的な内容:アドミッションポリシーや授業・ゼミ名など、その大学ならではの学びに触れる
- 将来のビジョンとのつながり:卒業後にどう活かしたいかを一文で示す
- 入学への意欲を示す言葉:決意表明ではなく、これまでの内容を踏まえた自然な結び
この3つを詰め込みすぎると冗長になるため、字数に応じて優先順位をつけることが必要です。800字程度の短い志望理由書であれば1文にまとめ、2000字クラスの長い志望理由書であれば2〜3文で丁寧に展開する、といった調整が求められます。字数ごとの構成の考え方は「志望理由書800字の構成テンプレと時間配分」や「志望理由書2000字が埋まらない時の書き方」でも詳しく解説しています。
結びの型パターン集
結びの書き方にはいくつかの型があります。以下に代表的なパターンを整理しました。あくまで型であり、自分の経験や志望理由の内容に合わせて言葉を変える必要があります。
| 型の名称 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 学び直結型 | 学部の授業・ゼミ名を挙げ、そこでの学びに直結させる | アドミッションポリシーを深く調べられている場合 |
| 将来像接続型 | 将来の進路・職業像と学びをつなげる | 明確な将来像がある場合 |
| 一貫性再確認型 | 冒頭の動機に戻り、一貫性を再提示する | 本論が長く、論点がぶれやすい場合 |
| 貢献表明型 | 大学・地域・社会への貢献意欲を添える | 課題研究や地域活動を軸にした志望理由の場合 |
どの型を選ぶ場合も、本論で述べた内容と矛盾しないことが最優先です。型に当てはめること自体が目的化してしまうと、かえって内容が薄まってしまいます。
避けたい結びの書き方
結びでよく見られる、印象を弱めてしまう書き方には共通点があります。以下のような表現は避けるようにしましょう。
- 「精一杯頑張ります」「全力で努力します」など、努力の宣言だけで終わる
- 本論で触れていない新しい情報を結びで急に持ち出す
- 大学名・学部名を変えても成立してしまう、一般的すぎる文章
- 謙遜しすぎて意欲が伝わらない表現(「至らない点もありますが」など)
特に「大学名を変えても成立する結び」は、選考担当者から見ると「使い回しではないか」という印象を与えかねません。結びの一文にこそ、その大学固有のキーワード(学部名・学べる分野・アドミッションポリシーの言葉など)を入れることが大切です。アドミッションポリシーの調べ方については「アドミッションポリシーの調べ方と読み解き方」で詳しく紹介しています。
一貫性を意識した結びのつくり方
結びの説得力は、書き出しから本論、結びまでの一貫性によって決まります。志望理由書全体を通して「なぜこの分野に関心を持ったのか」「なぜこの大学でなければならないのか」という論理が途切れていないかを見直すことが重要です。
評定平均や活動実績の量よりも、志望理由の一貫性そのものが評価されやすいという指摘もあります。詳しくは「逆転合格を支える志望理由書:評定より「一貫性」が評価される理由」で解説していますので、結びを書く前に本論との整合性を確認する際の参考にしてください。
また、活動実績が少ないと感じている場合でも、結びで無理に実績を誇張する必要はありません。学びへの姿勢や関心の深さを丁寧に言葉にすることで、十分に説得力のある結びをつくることができます。この点は「活動実績が少なくても書ける志望理由書のつくり方」でも触れています。
結びを書いた後の見直しチェックリスト
結びを書き終えたら、以下の観点で見直すことをおすすめします。
- 冒頭の書き出しと結びで、志望動機の軸がずれていないか
- 大学・学部固有のキーワードが結びに含まれているか
- 「頑張ります」だけで終わる抽象的な表現になっていないか
- 制限字数に対して結びの分量が長すぎ・短すぎになっていないか
- 声に出して読んだときに、不自然な言い回しがないか
第三者に読んでもらい、結びまで読んで「この人がなぜこの大学を志望しているのか」が伝わるかを確認してもらうことも有効です。自分一人で見直していると、どうしても書き手側の意図が先行してしまい、読み手にどう伝わるかを客観視しづらくなります。第三者の視点を取り入れる方法については「志望理由書の添削はオンライン塾でどう進む?提出から完成までのサイクルを公開」でも紹介していますので、あわせてご覧ください。出願直前で見直しの時間が限られている場合は「出願直前でも間に合う?志望理由書をオンライン添削で仕上げる短期集中の手順」も参考になります。
自己推薦書・活動報告書との結びの違い
志望理由書と混同されやすい書類に、自己推薦書や活動報告書があります。それぞれ求められる結びの方向性が少し異なります。
- 志望理由書:大学での学びと将来像を結びつけ、入学への意欲で締める
- 自己推薦書:自分の強みや経験が大学でどう活かせるかを再確認して締める
- 活動報告書:活動を通じて得た学びや今後への発展性を示して締める
書類ごとの役割の違いを理解しておかないと、結びの内容が似通ってしまい、複数書類を提出する際に印象が弱まることがあります。違いの詳細は「自己推薦書と志望理由書の違いとは?書き分けのポイントを推薦入試の専門塾が解説」、活動報告書の書き方は「活動報告書で差をつける!効果的なアピール方法と記入例」で解説しています。
なお、総合型選抜そのものの制度や選考の流れについて基礎から確認したい場合は、総合型選抜の解説ページもあわせてご覧ください。総合型選抜・学校推薦型選抜は、文部科学省が定める実施時期などの共通ルールに沿って各大学が実施していますが、出願要件や評価の重み付けは大学・学部ごとに異なります。志望校の詳しい方式や日程、評定基準については、必ず各大学の公式の募集要項で最新情報を確認してください。
よくある質問
結びは何文字くらい書けばよいですか?
全体の字数によって変わりますが、目安としては全体の1割前後を結びに充てることが多いです。800字であれば60〜100字程度、2000字であれば150〜250字程度を目安に、要素を詰め込みすぎず簡潔にまとめることをおすすめします。字数配分の具体例は「志望理由書800字の構成テンプレと時間配分」で確認できます。
「頑張ります」で締めるのは本当にダメですか?
一文だけで終わるのであれば印象が弱くなりやすいですが、その前に具体的な学びの内容や将来像が示されていれば、決意を示す一文自体が悪いわけではありません。大切なのは、決意表明の前に「なぜそう思うのか」という根拠が結びまでにきちんと積み上げられているかどうかです。
書き出しと結びで同じ言葉を繰り返してもよいですか?
意図的に呼応させる形であれば問題ありません。冒頭で提示した問いや関心事に対して、結びで「だからこの学部で学びたい」と答える構成にすると、一貫性が伝わりやすくなります。書き出しの工夫については「志望理由書の書き出し例|引き込む型と避けたい定型文」も参考にしてください。
まとめ
- 結びは「学びたい内容」「将来のビジョン」「入学への意欲」を簡潔にまとめる部分
- 大学名を変えても成立するような一般的な結びは避け、固有のキーワードを入れる
- 書き出し・本論との一貫性が、結びの説得力を支える
- 「頑張ります」だけで終わらせず、その前段の根拠を大切にする
- 完成後は第三者の視点も取り入れて見直すと客観性が高まる
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この記事の監修者
エクシオアカデミー 教務部
監修責任者:代表講師 髙久大輝
総合型選抜・学校推薦型選抜の指導を担当する教務部が、公開前に内容を確認したうえで掲載しています。年度で変わる入試情報は断定を避け、必ず大学公式の募集要項の確認をご案内しています。