面接で併願を聞かれたら|誠実で不利にならない答え方
監修:エクシオアカデミー 教務部
面接で併願状況を聞かれたら、嘘をつかず正直に答えて問題ありません。大学が知りたいのは「併願校の数」そのものではなく、目の前の受験生がその大学をどれだけ理解し、なぜ選んでいるのかという一貫性です。併願していることを隠したり、逆に併願していないと言い切ったりすることが、実は最も評価を下げるリスクになります。この記事では、質問の意図別に不利にならない答え方と、専願・併願にまつわる入試制度の基本を整理します。
なぜ面接官は併願状況を聞くのか
併願の質問には、単なる興味本位ではなく明確な意図があります。
- 志望度の確認:数ある大学の中で、なぜこの大学・学部なのかを言語化できているかを見ています。
- 進路選択の一貫性の確認:併願先の系統がまったく異なると、「本当にこの分野に興味があるのか」という疑問を持たれることがあります。
- 入学後の定着可能性の確認:特に総合型選抜・学校推薦型選抜は入学前提での出願を求める大学もあるため、進学意思の強さを探る目的があります。
つまり併願先の「数」や「校名」よりも、なぜその大学を選んだかを一貫して説明できているかが評価の分かれ目です。この点は面接対策の基本とも重なるため、総合型選抜の面接対策|よく聞かれる質問と回答例も合わせて確認しておくと準備の抜け漏れが減ります。
専願・併願の制度上の前提を理解する
答え方を考える前に、自分が受けている入試方式が専願か併願可かを正しく把握しておく必要があります。文部科学省が定める大枠として、以下のような傾向があります。
| 選抜区分 | 一般的な傾向 |
|---|---|
| 学校推薦型選抜(指定校推薦) | 原則として専願。合格したら進学することが前提 |
| 学校推薦型選抜(公募推薦) | 大学・方式により専願/併願可が分かれる |
| 総合型選抜 | 大学・方式により専願を求めるものと、併願を認めるものが混在 |
この傾向はあくまで一般的な枠組みであり、方式名・専願か併願可かの条件は大学・学部・年度によって異なります。「うちは併願前提だから聞かれても関係ない」と思い込まず、出願前に必ず各大学の公式の募集要項で最新情報を確認してください。専願方式で出願しているにもかかわらず面接で他大学を併願中と答えるのは、制度理解の不足を疑われる可能性があるため注意が必要です。志望校選びの段階でアドミッションポリシーとの整合性を確認しておくことも、こうした食い違いを防ぐ助けになります。アドミッションポリシーの調べ方と読み解き方も参考にしてください。
パターン別の答え方
専願方式で併願していない場合
もっとも答えやすいケースです。正直に「併願はしていません」と伝えた上で、なぜこの大学一校に絞ったのかを短く説明します。「絞った理由」がないと単に消極的な印象になるため、以下のような構成が有効です。
- 併願していない事実を一言で伝える
- この大学・学部でしか実現できないと考えた理由
- アドミッションポリシーや学びの内容と自分の関心の接続
併願可の方式で、実際に併願している場合
併願を隠す必要はありません。ポイントは「併願先を悪く言わない」「この大学を選ぶ理由を明確にする」の2点です。
- 併願先の校名や系統を聞かれたら、答えられる範囲で正直に伝える
- 併願先と比較して優劣をつける言い方(「あちらは滑り止めです」等)は避ける
- 「どちらも興味がある分野だが、この大学の〇〇という特色に一番惹かれている」という形で、この大学固有の魅力に落とし込む
併願先の系統が大きく異なる場合
文系と理系、あるいは分野が離れた併願をしている場合、面接官から一貫性を疑われやすい質問です。ここは正直に事情を説明しつつ、この大学を志望する軸がぶれていないことを示すのが重要です。「まだ将来像を決めきれていない部分もあるが、この大学の学びを通じて〇〇を深めたい」という形で、迷いがあることを隠さずに、それでもこの大学を選んだ理由を主軸に置く答え方が誠実です。
答え方の型を比較する
実際の質問例に対する回答方針を整理すると、次のようになります。
| 質問例 | 避けたい回答 | 望ましい回答の方向性 |
|---|---|---|
| 「他に受けている大学はありますか」 | 事実と異なる回答、答えを濁す | 事実を簡潔に伝え、この大学を選んだ理由に接続する |
| 「第一志望ですか」 | 曖昧にごまかす | 専願なら明確に肯定、併願なら現時点での位置づけを正直に述べる |
| 「合格したらどうしますか」 | 即答を避ける、矛盾した発言 | 出願している入試方式の前提(専願・併願)に沿って一貫した答えをする |
こうした想定問答は一人で作ると視点が固定されがちです。オンラインでの模擬面接を通じて、第三者に矛盾点を指摘してもらう練習は効果的です。オンラインの模擬面接は効果ある?対面との違いと活用のコツでも活用のポイントを紹介しています。
併願を答える際に気をつけたい表現
併願の事実そのものより、伝え方で印象が大きく変わります。特に次のような表現は避けたほうが安全です。
- 併願先を「落ちてもいい場所」と表現する
- 「どこでもいいから大学に入りたい」という進路意識の薄さを感じさせる発言
- 面接官の反応を探るような、その場しのぎの回答
逆に、併願していること自体を過度に恐れる必要もありません。誠実に状況を伝えた上で、この大学を選んだ理由を自分の言葉で語れれば、それは長所短所の伝え方と同じく「一貫性」を示す材料になります。面接の長所短所の答え方|選び方と成長物語への変換法で扱っている一貫性の作り方の考え方は、併願質問への対応にも応用できます。
志望理由書と面接での併願回答を揃えておく
出願時に提出した志望理由書やエントリーシートに、進路選択の経緯や併願方針についてすでに触れている場合があります。面接で聞かれた際の回答が、提出書類の内容と矛盾しないように事前に確認しておくことも大切です。書類作成時点では併願を検討中だったが、その後方針が変わった場合は、その変化の理由も含めて説明できるように準備しておくと安心です。総合型選抜そのものの仕組みを改めて確認したい場合は、総合型選抜の解説ページも参考にしてください。
よくある質問
併願していることを伝えると不利になりますか
併願していること自体で不利になることは一般的にはありません。不利になりやすいのは、事実と異なる回答をしたり、この大学を選ぶ理由を説明できなかったりする場合です。併願可の入試方式であれば、正直に伝えたうえで志望理由を明確に述べれば問題ありません。
「第一志望です」と言うべきか、正直に併願中と言うべきか迷います
出願している入試方式が専願を前提としているかどうかで判断が変わります。専願方式であれば志望度を明確に肯定する回答が前提と一致します。併願可の方式であれば、現時点での位置づけを正直に伝え、なぜこの大学を志望しているのかを丁寧に説明することが誠実な対応です。方式の条件は必ず各大学の公式の募集要項で確認してください。
併願先を聞かれたら校名まで具体的に答えるべきですか
聞かれた範囲で答えられる限り正直に伝えて構いません。校名を出すこと自体が問題になるわけではなく、併願先を貶めるような発言や、比較して優劣をつける言い方を避けることが重要です。
まとめ
- 面接で併願を聞かれたら、正直に答えることが基本であり、隠したり嘘をつくことがもっとも不利になる
- 面接官が知りたいのは併願の有無より、志望理由の一貫性と進学意思の強さ
- 専願か併願可かは入試方式によって異なるため、最新の募集要項で必ず確認する
- 併願先を悪く言う表現は避け、この大学を選んだ理由に接続する形で答える
- 志望理由書に記載した内容と面接での回答に矛盾がないか事前に確認しておく
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この記事の監修者
エクシオアカデミー 教務部
監修責任者:代表講師 髙久大輝
総合型選抜・学校推薦型選抜の指導を担当する教務部が、公開前に内容を確認したうえで掲載しています。年度で変わる入試情報は断定を避け、必ず大学公式の募集要項の確認をご案内しています。