面接「志望理由」の答え方|1分で答える構成と例文
監修:エクシオアカデミー 教務部
「本学を志望した理由を教えてください」は、総合型選抜・学校推薦型選抜の面接でほぼ必ず、しかも最初に聞かれる質問です。結論から言うと、答えは「何を明らかにしたいのか」「その問いが生まれた場面」「自分で調べて残ったこと」「だからこの大学で何を学ぶのか」の4つを、1分・約300字でまとめます。ただし、型を覚えることが対策ではありません。面接官は志望理由書を手元に置いて聞いており、確かめようとしているのは、その問いを本人が自分の言葉で扱えるかどうかです。この記事では、その前提を踏まえた組み立て方と回答例、続けて聞かれる深掘りへの備えを扱います。
面接は、書類の口頭確認の場です
大学の教員が行う面接は、志望理由書に書かれたことを、対面で確かめる場です。研究室のゼミで学生が発表し、教員が質問を重ねる場面を思い浮かべると、性格が近いことが分かります。答えの流暢さではなく、問いを自分で扱えているかが見られています。
この前提から、対策の方向が二つ決まります。
- 書類と同じ内容を話してかまいません。むしろ内容を変えると、どちらが本当なのかという疑いが生じます
- 一方で、書類と同じ文章を暗唱してはいけません。 面接官はその文章を読んでいます。読み上げは、自分の言葉になっていない印象を残します
そのため準備は、文章を覚えることではなく、書類の中身を口頭用に組み直し、書ききれなかった一言を足しておくことになります。志望理由書そのものの組み立ては志望理由書800字の構成テンプレと例文・時間配分で扱っています。
1分で答える構成
| パート | 話す内容 | 字数目安 |
|---|---|---|
| ①結論 | 何を明らかにしたいのか。志望学部 | 40〜50字 |
| ②きっかけ | 問いが生まれた場面と、そのときの違和感 | 90〜110字 |
| ③調べた結果と残ったこと | 自分でやってみた範囲と、そこで届かなかったこと | 90〜110字 |
| ④この大学で学ぶこと | ③の限界に対応する手法・分野 | 50〜70字 |
①を最初に置きます。場面から話し始めると、面接官は結論が出るまで30秒待つことになり、その間は判断の材料を保留したままになります。
③を入れるかどうかで、答えの強さが大きく変わります。多くの受験生は②から④へ飛び、「関心があるので学びたい」という形で終わります。しかし関心の表明は、他の志願者と区別がつきません。 自分で調べた範囲と、そこで届かなかったことを言えると、④の「だからこの大学で」に根拠が生まれます。
回答例(約300字)
面接の受け答えは、書類とは違って敬体で話します。 志望理由書は「だ・である」で書きますが、口頭では「です・ます」です。①〜④は上の表と対応しています。大学名・学部名は伏せています。
①私が明らかにしたいのは、地域から店が減ることが、そこに住む人の生活をどう変えるのかということです。②祖母が通っていた青果店が閉店し、片道40分かけて隣町へ通うようになりました。買い物の回数が減るにつれて外出そのものが減り、体調を崩す日が増えました。不便になっただけとは思えず、そこから関心を持ちました。③町内の高齢者20人に買い物の頻度と移動手段を聞いたところ、週1回以下の方が14人、そのうち9人は移動手段を持っていませんでした。ただ、20人では偶然かどうかを確かめられません。④貴学の△△学部では、地域経済を実際の調査を通じて学べると伺っています。調査法と統計を学び、この差が何によるものかを明らかにしたいと考えています。
③で「20人では確かめられない」と言っている点が要です。これは弱点の告白ではなく、自分の手法の限界を自覚しているという情報であり、大学で学ぶ理由をその場で示しています。あわせて、この一言は「その聞き取りで何が分かったのですか」という次の質問を引き出します。答えられる話題を自分から置いておくと、面接の流れを自分で作れます。
続けて聞かれる質問と備え
志望理由の答えは、それ自体で完結しません。面接官は答えの中の語を拾って質問を重ねます。ゼミでのやりとりと同じで、深掘りされることが前提です。
| 聞かれること | 面接官が確かめたいこと | 備え |
|---|---|---|
| 他の大学ではなく、なぜ本学ですか | 志望校の調べ方 | 学部の特徴を二つ目まで。比較した大学を1つ言えるように |
| その聞き取りで何が分かりましたか | 事実を持っているか | 結果を数字で。分からなかったことも |
| それは経済学で扱える問題ですか | 分野の理解 | 「解決」ではなく「説明できる」という言い方で |
| 入学後は具体的に何をしますか | 計画の解像度 | 学年ごとの段階と、扱いたいテーマ |
| 将来はどうしたいですか | 一貫性 | 職業名より、取り組みたい課題で |
「その聞き取りで何が分かりましたか」に対しては、結果と限界の両方を答えます。結果だけを話すと、限界の自覚が無いように受け取られます。深掘りが続く質問への構え方は面接の深掘り質問への答え方とあわせて準備してください。
評価が下がる答え方
- 志望理由書の暗唱:面接官は同じ文章を読んでいます
- 「校風に惹かれました」「雰囲気が良かったです」:他大学にも当てはまる理由は、志望理由になりません
- 将来の職業から話し始める:「〜になりたいので」で始めると、学問への関心が後景に退きます
- 大学案内の要約:「歴史があり、充実した環境で」は、学部の学びに触れていません
- 2分を超える:面接官が次に進めず、時間感覚を疑われます
- 併願校と同じ理由:併願を聞かれた場面で矛盾します。答え方は面接で併願を聞かれたら|誠実で不利にならない答え方を参照してください
練習の手順
- 志望理由書を、4パートの箇条書きに戻す。文章のままにしない
- 書類に書ききれなかった事実を1つ選び、③に足す
- 箇条書きだけを見て1分で話し、録音する。原稿は作らない
- 上の表の5つを、第三者に順不同で聞いてもらう
- 自己紹介・志望理由・学びたいことを通しで話し、同じ問いで貫かれているか確認する
3で原稿を作らないのは、暗記した文は深掘りで崩れるためです。箇条書きだけを覚え、毎回少しずつ違う言い方で話せる状態が、本番でもっとも安定します。自己紹介との役割分担は大学面接の1分自己紹介|構成テンプレと例文・文字数目安、続けて聞かれる「学びたいこと」は面接「大学で学びたいこと」の答え方|構成と例文で扱っています。
面接の形式・時間・質問の傾向は大学・学部・入試方式で異なります。準備の際は、各大学の最新の募集要項と選考の説明を確認してください。
よくある質問
志望理由書と一言一句同じでもよいですか
内容は同じでかまいませんが、暗唱は避けてください。4パートの箇条書きに戻し、毎回少し違う言い方で話せるようにしておくと、深掘りされても崩れません。
1分と言われたのに30秒で終わってしまいます
③が抜けていることがほとんどです。自分で調べた結果を1文、そこで残ったことを1文足すと、自然に1分になります。前置きで伸ばすと、かえって中身が薄く見えます。
「なぜこの学部か」と「なぜこの大学か」を分けて聞かれたら
学部は②の問い、大学は④の手法で答えます。最初から②と④を分けて用意しておけば、どちらの聞かれ方にも対応できます。
まとめ
- 面接は書類の口頭確認の場であり、質疑応答はゼミでのやりとりに近い
- 答えは結論・きっかけ・調べた結果と残ったこと・この大学で学ぶことの4パート、約300字
- ③の「まだ確かめられていないこと」が、この大学で学ぶ理由になる
- 書類は常体、面接は敬体。内容は同じでよいが、暗唱はしない
- 箇条書きだけを覚え、毎回違う言い方で話せる状態にしておく
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この記事の監修者
エクシオアカデミー 教務部
監修責任者:代表講師 髙久大輝
総合型選抜・学校推薦型選抜の指導を担当する教務部が、公開前に内容を確認したうえで掲載しています。年度で変わる入試情報は断定を避け、必ず大学公式の募集要項の確認をご案内しています。