帝京大学の総合型選抜Ⅰ期・Ⅱ期|2日受験と合格最低点からの逆算
監修:エクシオアカデミー 教務部
帝京大学の総合型選抜は、年内入試のなかでもかなり開かれた設計をしています。
併願可・評定基準なし・全国12会場・試験日自由選択制。そしてⅠ期とⅡ期は2日受験でき、高得点のほうが採用されます。さらに合格者の最高点・最低点まで公開されているため、「何点取れば通るか」を実データから逆算できます。
条件がここまで揃っている総合型選抜は多くありません。この記事では、2027年度の公式要項および公表データにもとづいて、選考の中身と得点戦略を整理します。Ⅲ期・医学部・公募推薦を含む方式一覧は帝京大学の総合型選抜・公募推薦ページにまとめてあります。
出願条件――併願可・評定不問
要項に明記されている条件です。
併願可。「本学の学校推薦型選抜(指定校制/医学部公募制)を除くすべての入学試験、および他大学との併願が可能です」
評定基準なし。「学習成績の状況は出願基準として設けていません」
例外は学校推薦型選抜の指定校制と医学部の公募制だけです。この2つとは併願できません。
「年内入試=専願」という思い込みで帝京大学を候補から外している受験生は少なくありませんが、実際は逆です。併願前提で組み込める方式です。専願と併願の考え方は総合型選抜の専願と併願の違いで整理しています。
全国12会場・2日受験で高得点採用
試験場自由選択制で、Ⅰ期の会場は次の12か所です。
板橋・八王子・宇都宮・博多・大牟田・水戸・高崎・新潟・甲府・長野・静岡・大阪
(医学部は板橋のみ)
そしてⅠ期・Ⅱ期は試験日自由選択制で2日受験でき、高得点のほうが採用されます。
これは実質的に「もう1回チャンスがある」ということです。1日目の手応えが悪くても、2日目で挽回できます。年内入試で2回受けられる設計は珍しく、得点で決まる方式だからこそ意味を持つ仕組みです。
なおⅢ期は12月13日選考・12月17日発表で、年内に完結します。
選考は基礎能力適性検査が中心
判定材料は「志望理由」「調査書」「面接」「基礎能力適性検査」の4つです。このうち中心になるのが基礎能力適性検査で、学部によって選べる方式が違います。
| 学部・学科 | 選べる方式 |
|---|---|
| 経済(経済・地域経済・経営・観光経営)、法、文、教育 | 課題作文方式/1科目方式/2科目方式から1つ選択 |
| 経済学部 国際経済学科、外国語学部 | 1科目方式/2科目方式から1つ選択(英語必須) |
| 薬学部 | 3科目方式 |
| 理工学部、医療技術学部(看護・診療放射線・臨床検査・スポーツ医療〔救急救命士コース〕) | 2科目方式 |
| 医療技術学部(視能矯正・スポーツ医療〔健康スポーツコース〕・柔道整復)、福岡医療技術学部 | 1科目方式/2科目方式から1つ選択 |
経済・法・文・教育学部では課題作文方式を選べるのが大きなポイントです。学科試験が苦手でも、書く力があれば戦えます。逆に学力に自信があるなら、1科目・2科目方式で勝負するという選択肢もあります。
自分の得意で入口を選べる——これが帝京の総合型選抜の設計思想です。
なお医学部医学科のみ方式区分がなく、活動報告書+調査書等+論述課題+グループディスカッション+面接で、二次選考は大学入学共通テストです。
合格最低点が公開されている
帝京大学の最大の武器がこれです。2026年度の実績(募集/志願/受験/合格/手続/競争率/配点/最高点/最低点)が公表されています。
| 学部・学科 | 志願 | 合格 | 倍率 | 配点 | 合格最低点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 医学部 医学科 | 300 | 18 | 16.6 | 600 | 431 |
| 薬学部 薬学科 | 545 | 214 | 2.5 | 300 | 122 |
| 経済学部 経済学科 | 1,083 | 407 | 2.6 | 200 | 114 |
| 経済学部 国際経済学科 | 193 | 122 | 1.5 | 200 | 104 |
| 文学部 史学科 | 235 | 103 | 2.2 | 200 | 115 |
| 文学部 社会学科 | 340 | 151 | 2.2 | 200 | 110 |
| 文学部 心理学科 | 550 | 142 | 3.8 | 200 | 135 |
| 外国語学部 外国語学科(英語コース) | 407 | 168 | 2.4 | 200 | 125 |
外国語学科の少人数コースも公表されています。フランス語9→5(1.8倍)、スペイン語25→10(2.4倍)、中国語18→9(1.8倍)です。
配点200点の学部なら、おおむね104〜135点が合格ライン。つまり5割強から7割弱を狙えばよいということです。この数字が事前に分かっているのは、対策を組むうえで決定的な意味を持ちます。
ただし、点数を並べるときは必ず配点も見てください。学部により200点・300点・600点と異なります。
そして「帝京の総合型は入りやすい」と一般化しないでください。医学科16.6倍・心理学科3.8倍の一方で、国際経済学科は1.5倍でした。学部・学科による差が非常に大きい大学です。倍率の読み方は総合型選抜の倍率の調べ方で解説しています。
奨学特待生選抜という上位の受け皿
見落とされがちですが、受験戦略上かなり重要な制度があります。
要項に「奨学特待生として入学が認められなかった者でも、総合型選抜合格者と同等もしくはそれ以上の学力を有すると認められた場合は総合型選抜合格者として入学が許可されます」と明記されています。
実施は経済・法・文・外国語・教育・理工・福岡医療技術の7学部で、奨学特待生は100名。奨学特待生に落ちても総合型選抜の合格者になり得るため、学力に自信があるなら挑戦する価値があります。
このほか、第二志望制度、帝京大学短期大学第二志望制度、英語外部試験利用制度、簿記外部試験利用制度(経済学部のみ)、優遇資格による5点加点、入学手続時納入金の分納制度など、付随制度が充実しています。
対策の進め方
1. 志望学科の合格最低点と配点を確認する
すべてはここから始まります。必要点が分かれば、あと何点必要かが計算できます。
2. 方式を選ぶ
課題作文方式を選べる学部なら、自分が作文と学科試験のどちらで点を取りやすいかを過去の模試などから判断してください。作文で勝負するなら小論文の基本構造が土台になります。
3. 2日受験を前提に計画を立てる
高得点採用なので、2日受けない理由がありません。1日目を本番、2日目を修正の機会と位置づけて準備してください。
4. 英語資格・簿記資格を確認する
英語外部試験利用制度と、経済学部の簿記外部試験利用制度があります。優遇資格による5点加点もあるため、持っている資格は要項で確認してください。英語資格の目安は総合型選抜に英検は何級必要かで整理しています。
出願前に確認してほしいこと
この記事は2027年度の公式要項および2026年度の入試結果にもとづいていますが、合格最低点は年度・受験者層によって変動します。過去の数字は目安として扱ってください。募集人員・日程・会場も年度によって変更されます。出願前には必ず最新の募集要項でご確認ください。
特に次の2点にご注意ください。
- 医学部の入学定員120名には、2026年度までを期限とする臨時定員10名が含まれます。2027年度は同数の認可申請を予定していると要項にありますが、現時点では確定していません
- 広域多摩地域密着型奨学選抜は帝京大学短期大学(八王子)のみで、大学の学部では実施していません
帝京大学は大東亜帝国のなかで最も条件が開かれている大学です。他の4校との比較は大東亜帝国の総合型選抜で整理しています。
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この記事の監修者
エクシオアカデミー 教務部
監修責任者:代表講師 髙久大輝
総合型選抜・学校推薦型選抜の指導を担当する教務部が、公開前に内容を確認したうえで掲載しています。年度で変わる入試情報は断定を避け、必ず大学公式の募集要項の確認をご案内しています。