國學院大學文学部の公募制自己推薦(AO型)|5学科の課題と選考
監修:エクシオアカデミー 教務部
國學院大學文学部の総合型選抜は「公募制自己推薦(AO型)」という名称で、評定不問・他大学と併願可・学内の複数学科への出願も可という、きわめて開かれた条件で実施されています。
一方で、選考の中身は容赦がありません。日本文学科は紙の古語辞典を1冊持ち込んで古文を論述し、哲学科は課題図書を持ち込んで小論文を書き、中国文学科は当日その場で授業を50分受けてレポートを書きます。入口は広く、中は学科の学びそのもの。それが國學院文学部のAO型です。
この記事では2027年度の公式要項にもとづいて、出願条件と5学科それぞれの選考を整理します。文学部以外の学部を含む方式一覧は國學院大學の総合型選抜ページにまとめてあります。
募集人員と日程
文学部の募集は計86名です。
| 学科 | 募集人員 |
|---|---|
| 日本文学科 | 21名 |
| 中国文学科 | 8名 |
| 外国語文化学科 | 21名 |
| 史学科 | 24名 |
| 哲学科 | 12名 |
日程は、出願2026年9月28日〜10月2日、一次発表10月23日、二次選考11月15日、合格発表11月25日、手続〜12月2日です。
評定不問・併願可・学内併願も可
出願条件で押さえるべきは次の3点です。
評定は問われません。要項に「高等学校等での学習成績の状況は、出願要件としません」と明記されています。
他大学と併願できます。要項に「本制度は他大学や試験日の異なる他の試験制度との併願が可能」とあります。
学内の複数学科・専攻に出願できます。要項に「本試験制度内における複数学科・専攻への出願は、すべての学部・学科で可能」とあり、たとえば日本文学科と史学科の両方に出願することが認められています。ただし同一試験日の複数受験はできず、検定料は1学科ごとに必要です。
総合型選抜で「評定不問・併願可・学内併願可」の三点が揃う大学は多くありません。評定に不安があって年内入試を諦めかけている方にとって、國學院文学部は現実的な選択肢になります。
英語スコアが必要な学科がある
学科によって英語の要件が分かれます。
- 外国語文化学科:CEFR B1以上が必須
- 史学科:CEFR A2以上が必須
- 日本文学科・中国文学科・哲学科:不要
スコアは2024年4月以降に取得したものが対象です。CEFRの水準については総合型選抜に英検は何級必要かで目安を確認できます。
一次は書類、二次は学科ごとにまったく違う
第1次選考は書類のみです(文学部の場合)。提出するのは学科別の課題レポート2,000字、志望理由書、活動レポートなどです。
要項自身が、課題レポートの研究テーマの具体性が評価を分けると明言しています。「日本文学に興味があります」ではなく、どの作品のどの論点を扱うのかまで絞ってから書き始めてください。
第2次選考(11月15日)は学科ごとに内容が完全に分かれます。
日本文学科:古文論述1,000字・90分(紙の古語辞典1冊持込可)
紙の古語辞典を1冊持ち込んで、古文について1,000字を論述します。辞典が使える以上、単語を知っているかではなく、読み解いて論じられるかが問われます。加えて面接があります。
課題レポートでは卒業論文の構想まで書かせる設計になっており、「入学後に何を研究したいか」が最初から問われる学科です。
中国文学科:授業50分を受講してレポート1,000字・70分
その場で50分の授業を受け、そのあと70分で1,000字のレポートを書きます。事前に暗記した知識では対応できません。聞いて、理解して、自分の言葉でまとめる力が直接測られます。加えて面接があります。
なお中国文学科は、満22歳以上であれば申請により一次選考が免除されます(就業経験は問われません)。
外国語文化学科:面接のみ(英語質疑を含む)
二次は面接だけです。ただし英語での質疑が含まれ、出願時点でCEFR B1以上が必要です。筆記がないぶん、課題レポートと面接での言語化がすべてになります。
史学科:英文・古文・漢文から選ぶ論述90分
英文・古文・漢文の3つから1つを選んで論述します(90分)。自分の得意な史料言語で勝負できる設計です。加えて面接があります。出願にはCEFR A2以上が必要です。
哲学科:課題図書持込可の小論文90分
課題図書を持ち込んで小論文を書きます(90分)。2027年度の課題図書は吉岡洋『AIを美学する』です。持ち込めるということは、読んだ内容を要約する試験ではなく、その本を材料にして自分で考える試験だということです。加えて面接があります。
対策の進め方
1. 課題レポート2,000字のテーマを1つに絞る
一次は書類だけなので、ここがすべての起点です。要項が「研究テーマの具体性」を評価すると書いている以上、扱う対象を1つに絞ってから書き始めてください。志望理由書の書き方は志望理由書の書き方を参考にしてください。
2. 二次の形式に合わせて練習を変える
- 日本文学科 → 古語辞典を引きながら古文を論じる練習
- 中国文学科 → 講義や動画を聞いてその場で1,000字にまとめる練習
- 史学科 → 選ぶ言語(英文・古文・漢文)を決めて史料読解を反復
- 哲学科 → 課題図書を章ごとに論点整理し、自分の意見を対置する練習
- 外国語文化学科 → 英語で志望分野を語る練習
学科が決まった瞬間に、対策の中身がまるごと入れ替わります。汎用的な小論文練習だけでは足りません。論述の土台は小論文の基本構造で固めたうえで、学科ごとの形式に合わせてください。
3. 二次は終日になる学科がある
要項には昼食持参の指示がある学科があります。長時間の集中に耐えられる準備をしておいてください。
出願前に確認してほしいこと
この記事は2027年度の公式要項にもとづいていますが、課題図書・募集人員・日程・英語要件は年度によって変更されます。出願前には必ず最新の募集要項でご確認ください。
特に次の2点にご注意ください。
- 課題図書は毎年変わる可能性があります。哲学科を志望する場合は必ず当年度の要項で確認してください
- 学内併願はできますが、同一試験日の複数受験はできません。日程を確認したうえで組み合わせてください
國學院大學は成成明学獨國武のなかで最も募集人員が大きく(全学で284名)、条件も開かれています。他の5校との比較は成成明学獨國武の総合型選抜で整理しています。
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この記事の監修者
エクシオアカデミー 教務部
監修責任者:代表講師 髙久大輝
総合型選抜・学校推薦型選抜の指導を担当する教務部が、公開前に内容を確認したうえで掲載しています。年度で変わる入試情報は断定を避け、必ず大学公式の募集要項の確認をご案内しています。