志望理由書の経済学部例文|800字の構成テンプレ

監修:エクシオアカデミー 教務部

経済学部の志望理由書は、800字なら「問いの提示100字」「社会的背景と個人的接点150字」「自分で調べた内容と分からなかったこと300字」「大学で学びたい学問的枠組み250字」の4段落構成が基本になります。字数配分の主役は自己アピールではなく、3段落目の「調べた範囲とその限界」で、ここに全体の3割以上を割り当てられるかどうかが評価を分けます。経済学部特有のつまずきは、地域活性化や格差是正といった解決策から書き始めてしまうことと、経済学と経営学が扱う対象を混同してしまうことです。この記事では、経済・経営系の志望理由書に固有の組み立て方を、配分表と注釈つき例文つきで説明します。

経済学部の志望理由書は800字なら4段落構成が基本

800字という制約の中では、段落を増やすほど1段落あたりの思考の密度が薄まります。そのため、経済学部の志望理由書は次の4段落に絞り、原体験の記述は全体の1割程度に抑えるのが基本です。原体験は問いのきっかけとして触れれば十分で、その先の「何を調べ、何が分からなかったか」に字数を残すことが評価につながります。

段落内容字数目安割合
1明らかにしたい問いの提示約100字12.5%
2問いを選んだ社会的背景と個人的接点約150字19%
3自分で調べた内容・分かったこと・分からなかったこと(限界)約300字37.5%
4その限界を埋めるために学びたい学問的枠組みと大学での学び約250字31%

この配分は800字を想定したものですが、1000字や1200字など字数が増える場合も3段落目の比率を大きく落とさないことが重要です。字数が長い書式の組み立て方は志望理由書1200字の構成テンプレと段落配分・例文でも扱っているので、あわせて確認してください。

経済学部特有の「問い」はどう立てるか|対象と装置を分ける

経済学部の志望理由書で評価が下がりやすいのは、明らかにしたい現象そのもの(対象)と、それを説明するための学問的な枠組み(装置)を区別できていない書類です。たとえば「地方の商店街のシャッター化を止めたい」という書き出しは対象への関心の表明にとどまり、なぜその現象が生じているのかという説明の水準に届いていません。経済学が用意している装置は、個々の消費者や企業の行動を扱うミクロ経済学、一国全体の資源配分や景気を扱うマクロ経済学、そして統計データから因果関係や相関を検証する計量経済学など、現象を数量的・理論的に説明するための枠組みです。

そのため、経済学部を志望する場合は「なぜこの現象が生じているのか」という説明の問いを先に立て、その説明のためにどの装置が必要かという順序で書くことになります。解決策の提示は実務や政策立案の領域であり、大学での学びはまず現象の構造を説明することから始まります。志望する学部が実際にどのような分析視角を重視しているかは、大学ごとのアドミッションポリシーに手がかりがあることが多いので、アドミッションポリシーの調べ方と読み解き方を参考に、出願前に確認しておくと問いの立て方に説得力が増します。

注釈つき例文

志望理由書は「だ・である」の常体で書きます。以下は地方都市の中心市街地の空洞化を題材にした架空の受験生の例文です。実在の大学名・学部名は伏せ字にしています。

①私の問いは、なぜ地方都市の中心市街地で空き店舗の増加が続くのかというものである。②出身地である地方都市の商店街では、幼少期に賑わっていた通りが年々シャッターを閉じる店舗で埋まっていくのを見てきた。地方都市の中心市街地の空洞化は全国的な傾向として指摘されており、人口減少だけでは説明しきれない側面があるのではないかと考えた。③そこで、居住する市が公開する統計と近隣3市の中心市街地の空き店舗率を比較したところ、人口減少率が近い自治体間でも空き店舗率に差があることが確認できた。この差を生む要因として、郊外の大型商業施設の立地や後継者不足が考えられるが、個々の店舗の廃業理由までは公開データからは分からず、経営判断がどこまで影響しているかについては明らかにできていない。④この限界を埋めるためには、消費者の購買行動を数量的に分析する計量経済学と、都市の立地構造を扱う都市経済学の両方の枠組みを学ぶ必要があると考えている。〇〇大学△△学部では地域経済を実証的に扱う科目が用意されており、自分で集めたデータを理論的枠組みに基づいて検証する力を身につけたいと考え、志望するに至った。

①が問いの提示、②が社会的背景と個人的接点、③が自分で調べた事実とその限界、④がその限界を埋めるために必要な学問的枠組みと大学での学びへの接続に対応しています。③の「明らかにできていない」という一文が反省ではなく、データの制約という統制できなかった条件として書かれている点が、大学で学ぶ必然性を生んでいます。

経済学部の志望理由書でよくある失敗パターン

こうした失敗は、志望理由書全体の一貫性が崩れる原因にもなります。評定の高さよりも一貫性が評価される仕組みについては逆転合格を支える志望理由書:評定より「一貫性」が評価される理由で詳しく扱っています。

書く手順とオンライン添削のサイクル

経済学部の志望理由書は、思いついた順に書き始めるとどうしても対象への関心の表明で止まってしまいます。次のように、調べる工程を先に区切ってから執筆に入ると、限界の言語化まで到達しやすくなります。

手順内容目安期間
1関心のある社会現象を1つに絞り、身近な地域や統計で現状を確認する3〜5日
2白書や新聞記事など一次情報にあたり、自分の言葉で要点をまとめる1週間
3調べた範囲と分からなかったことを分けて書き出す(限界の言語化)2〜3日
4その限界を埋める学問領域をアドミッションポリシーなどで確認する2〜3日
5構成テンプレに沿って下書きし、論理の飛躍がないか添削を受ける1週間を複数回

この手順のうち3と4は一人では気づきにくく、第三者に読んでもらうことで「対象の説明で終わっている」「装置の説明が抜けている」といった指摘を受けやすくなります。出願までの時間が限られている場合の圧縮した進め方は志望理由書が間に合わない時の書き方|残り2週間・1ヶ月の手順にまとめているので、日程が厳しい受験生は参考にしてください。エクシオアカデミーは総合型選抜・学校推薦型選抜専門の完全オンライン塾として全国から受講でき、こうした調べる工程と添削のサイクルをオンラインで継続的に伴走する形で指導しています。

経済学部と経営学部で志望理由書の視点はどう違うか

経済学部と経営学部の両方を併願する受験生は多く、同じ社会現象に関心があっても、志望理由書で書くべき視点は学部によって変わります。両者の違いを対象と装置の観点で整理すると次のようになります。

観点経済学部経営学部
主な分析対象市場全体・資源配分・政策の効果個別企業の経営判断・組織運営
主な装置(学問的枠組み)ミクロ経済学・マクロ経済学・計量経済学経営戦略論・会計学・組織論
志望理由書で書くべき視点現象がなぜ社会全体で生じているかの説明特定の組織の意思決定がなぜそうなるかの説明
ありがちな混同「起業したい」など個別企業の実務志向で書いてしまう社会全体の政策論だけで終わり、個別組織の分析に踏み込まない

同じ大学の中でも、経営学部が独自の選考区分を設けている例があります。たとえば青山学院大学経営学部の自己推薦入試|求める人物像と対策のように、学部ごとに求める人物像や評価の観点が異なるため、経済学部と経営学部のどちらに出すか迷う場合は、対象と装置のどちらに自分の問いが近いかを基準に判断すると整理しやすくなります。なお、総合型選抜の制度全体の仕組みを確認したい場合は総合型選抜とはのページもあわせて参照してください。

よくある質問

経済学部の志望理由書に統計データやグラフの分析結果を書いてもよいか

書いても構いませんが、数値そのものを並べるだけでは調べた事実の提示にとどまります。その数値から何を仮説として立てたのか、どこまでが確認できてどこからが未検証なのかを自分の言葉で書き分けることが重要です。

経済学部志望だが数学が得意ではない場合は不利になるか

学部やコースによって計量的な手法をどの程度重視するかは異なります。断定はできないため、志望校の募集要項やアドミッションポリシーで求める科目や入学後のカリキュラムを確認し、必要であれば学びたい分析手法を志望理由書の中で明示しておくと説明に説得力が出ます。

経済学部と経営学部のどちらを志望理由書に書けばよいか迷う場合はどうするか

自分の問いが社会全体の仕組みの説明に近いのか、特定の組織の意思決定の説明に近いのかで判断します。両方に関心がある場合でも、出願する学部ごとに問いの立て方を書き分ける必要があり、1通の書類を使い回すことは避けたほうがよいです。

まとめ

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エクシオアカデミーは総合型選抜・学校推薦型選抜に特化した完全オンラインの学習塾で、地方在住の高校生も全国どこからでも受講できます。経済学部・経営学部の志望理由書で「問いの立て方が対象の説明で止まっている」「限界の書き方が反省文になってしまう」といった悩みがあれば、一度状況を整理する場として無料の受験相談をご利用ください。無料受験相談を予約する

この記事の監修者

エクシオアカデミー 教務部

監修責任者:代表講師 髙久大輝

総合型選抜・学校推薦型選抜の指導を担当する教務部が、公開前に内容を確認したうえで掲載しています。年度で変わる入試情報は断定を避け、必ず大学公式の募集要項の確認をご案内しています。

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