志望理由書の書き出し例|引き込む型と避けたい定型文
監修:エクシオアカデミー 教務部
志望理由書の書き出しは、最初の2〜3行で「この受験生の話をきちんと読みたい」と評価者に思わせられるかどうかで、その後の読まれ方が大きく変わります。結論から言うと、避けたいのは辞書的な定義や「私が貴学を志望する理由は」から始まる直球すぎる定型文で、読み手を引き込みやすいのは具体的な経験・課題提起・数字・大学との接点のいずれかから始める書き方です。本記事では、使いやすい書き出しの型と、印象を下げやすい定型文の特徴、書き出しを書く前の準備、文字数別の考え方までを整理して解説します。
志望理由書の書き出しがなぜ重要なのか
総合型選抜(旧AO入試)・学校推薦型選抜(旧推薦入試)は、文部科学省が定める入試区分で、書類選考・面接・小論文などを組み合わせて選考することが一般的です。総合型選抜は9月以降に出願が始まる、学校推薦型選抜は11月以降に出願が始まるといった大枠のスケジュールが文部科学省の枠組みとして示されていますが、実際の出願時期や必要書類は大学ごとに異なるため、志望校の最新の募集要項を必ず確認してください。制度の全体像を整理したい場合は、総合型選抜の解説ページも参考にしてみてください。
評価者は限られた時間で多数の書類に目を通します。冒頭の数行で「この受験生が何を伝えたいのか」が見えないと、後半の内容がどれほど充実していても印象に残りにくくなります。書き出しは全体の要約でも単なる自己紹介でもなく、読み手の関心をつくる導入部だと捉えることが大切です。
避けたい書き出しの定型文パターン
次のような書き出しは、決して間違いではありませんが、他の受験生と差がつきにくい傾向があります。
| パターン | よくある書き出しの例 | 何が問題になりやすいか |
|---|---|---|
| 辞書的定義型 | 「〜とは、〜のことである。私は〜」 | 個人の経験が見えず、誰にでも書ける印象になる |
| 直球宣言型 | 「私が貴学を志望する理由は〜だからです。」 | 結論だけが先に置かれ、具体性が伴わないと薄く見える |
| 感謝先行型 | 「この度は志望理由書を書く機会をいただき〜」 | 本題に入るまでが長く、評価者の関心を引く前に文字数を消費する |
| ニュース引用のみ型 | 「近年、〜という報道がある。そこで私は〜」 | 自分の経験と接続されないと借り物の意見に見えてしまう |
| 抽象的な夢型 | 「将来、人の役に立ちたいと考えている。」 | 具体性がなく、どの学部にも当てはまる内容になりやすい |
これらに共通するのは、具体性と「自分ごと化」の弱さです。使ってはいけないというより、そのまま書くと差がつきにくい、という点を意識しておくとよいでしょう。
読み手を引き込む書き出し6つの型
書き出しにはいくつかの「型」があります。以下はよく使われる代表的なパターンとその特徴です。
| 型 | 特徴 |
|---|---|
| エピソード先出し型 | 具体的な場面・出来事から始め、そこから関心のきっかけを語る |
| 課題提起型 | 地域や社会の課題を最初に示し、自分の問題意識につなげる |
| 数字・データ提示型 | 統計や自分の活動時間・回数などの数字から始める |
| 大学との接点型 | アドミッションポリシーや学部の特色と自分の関心の一致点から始める |
| 将来像逆算型 | 卒業後にどうなっていたいかを先に示し、そこから現在の関心に戻る |
| 対比型 | 過去の自分の考え方と、今の自分の考え方の変化を対比する |
例えば「課題提起型」であれば、「地域の商店街を歩いたとき、シャッターの下りた店が目立つことに気づいた」といった具体的な描写から始め、そこから地域経済や地方創生への関心につなげる、という流れが考えられます。「大学との接点型」であれば、「貴学部が掲げる〇〇という教育方針は、私が高校の探究活動で感じた課題意識と重なっている」というように、大学側の言葉と自分の経験を結びつける書き方です。どの型も、最初の一文で具体的な情景や問題意識を示すという共通点があります。
どの型が合うかは、これまでの活動内容や志望理由の背景によって変わります。活動実績が少ないと感じている場合でも、日常の気づきや授業内での経験から書き出しをつくることは可能です。詳しくは活動実績が少なくても書ける志望理由書のつくり方も参考にしてください。
書き出しを書く前に準備しておきたいこと
書き出しだけを単独で考えると、印象的な一文は書けても本文とのつながりが弱くなりがちです。書き出しを決める前に、次の準備をしておくことをおすすめします。
- アドミッションポリシーの確認:大学・学部が求める人物像を把握しておくと、大学との接点型の書き出しがつくりやすくなります。調べ方はアドミッションポリシーの調べ方と読み解き方で解説しています。
- 活動の棚卸し:部活動・探究学習・課外活動などを時系列で整理し、志望理由につながりそうな出来事を洗い出します。
- 一貫性の確認:書き出しで示した問題意識が、本文の学びたい内容や将来像と矛盾しないかを確認します。評定よりも一貫性が評価される理由については逆転合格を支える志望理由書:評定より「一貫性」が評価される理由でも触れています。
準備段階でこれらを整理しておくと、書き出しが「思いつきの一文」ではなく、本文全体とつながる導入として機能しやすくなります。
文字数別に見る書き出しのボリューム感
志望理由書は800字・1000字・2000字など、大学によって指定文字数が異なります。文字数が変わると、書き出しにかけられる分量の目安も変わってきます。
| 想定文字数 | 書き出しの目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 800字程度 | 2〜3文程度 | 一文で状況説明、次の一文で関心の芽生えを示す |
| 1000字程度 | 3〜4文程度 | エピソードの背景をやや厚めに描写できる |
| 2000字程度 | 4〜6文程度 | 複数の経験を並べても本文とのバランスが取りやすい |
文字数ごとの具体的な構成については、志望理由書800字の構成テンプレと時間配分、志望理由書1000字の書き方、志望理由書2000字が埋まらない時の書き方でそれぞれ詳しく解説していますので、あわせて確認してみてください。
書き出しを磨くための添削活用法
自分で書いた書き出しが「引き込む型」になっているかどうかは、自分だけで判断しにくい部分でもあります。第三者に読んでもらい、最初の数行で内容の見当がつくか、続きを読みたくなるかを確認してもらうと改善点が見つかりやすくなります。
オンライン指導では、提出した原稿に対して文章単位でコメントが返され、書き出しの修正案を複数比較しながら進めていくといった流れが一般的です。具体的な添削サイクルについては志望理由書の添削はオンライン塾でどう進む?で紹介しています。また、出願が近づいてから書き出しを見直したい場合は、出願直前でも間に合う?志望理由書をオンライン添削で仕上げる短期集中の手順も参考になります。
エクシオアカデミーは総合型選抜・学校推薦型選抜専門の完全オンライン塾で、全国どこからでも受講できます。書き出しを含めた志望理由書全体の構成について、担当者とやり取りしながら文章を練り直していく指導を行っています。
よくある質問
書き出しは自己紹介から始めてもよいですか
名前や高校名だけを述べる自己紹介は、字数を消費するわりに内容が伝わりにくいため避けた方が無難です。自己紹介的な情報が必要な場合は、関心のきっかけとなった経験の中に自然に織り込む形にすると、書き出しとしての機能を持たせやすくなります。
書き出しに使ったエピソードが本文の内容と重複しても大丈夫ですか
書き出しで示した経験を、本文でより具体的に深掘りする構成であれば問題ありません。むしろ書き出しで簡潔に予告し、本文で詳しく展開する方が全体の流れが読みやすくなります。重複を避けたいのは、同じ内容をそのまま繰り返してしまう場合です。
書き出しの型は学部によって変えた方がよいですか
学部が求める人物像や学びの特色によって、合う型は変わってきます。例えば実践的な活動を重視する学部であればエピソード先出し型、社会課題への関心を重視する学部であれば課題提起型が書きやすい傾向があります。まずは各大学のアドミッションポリシーを確認し、そのうえで型を選ぶ順番がおすすめです。
まとめ
- 志望理由書の書き出しは、評価者の関心を作る導入部として機能させることが重要
- 辞書的定義型・直球宣言型・感謝先行型などの定型文は、具体性が伴わないと差がつきにくい
- エピソード先出し型・課題提起型・数字提示型・大学との接点型・将来像逆算型・対比型など、複数の型を比較して自分に合うものを選ぶ
- 書き出しを決める前に、アドミッションポリシーの確認と活動の棚卸しをしておくと一貫性を保ちやすい
- 文字数指定によって書き出しの分量は変わるため、指定文字数に応じた構成を意識する
無料受験相談のご案内
志望理由書の書き出しに悩んでいる方は、一人で抱え込まずに第三者の視点を取り入れることも一つの方法です。エクシオアカデミーでは、総合型選抜・学校推薦型選抜専門の完全オンライン塾として、全国どこからでも無料受験相談を受け付けています。書き出しの方向性や志望理由書全体の構成について相談したい方は、無料受験相談を予約するからお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者
エクシオアカデミー 教務部
監修責任者:代表講師 髙久大輝
総合型選抜・学校推薦型選抜の指導を担当する教務部が、公開前に内容を確認したうえで掲載しています。年度で変わる入試情報は断定を避け、必ず大学公式の募集要項の確認をご案内しています。