将来の夢がない人の志望理由書|問い起点の構成法

監修:エクシオアカデミー 教務部

「将来の夢が決まっていないのに、志望理由書なんて書けるのだろうか」と悩む高校生は少なくありません。結論からお伝えすると、将来の夢が明確でなくても志望理由書は十分に書けます。むしろ多くの受験生が「立派な夢」を無理に作ろうとして、うわべだけの文章になってしまいがちです。大切なのは、夢そのものではなく、あなたが興味を持っている「問い」を出発点にすることです。この記事では、夢起点ではなく「問い起点」で志望理由書を組み立てる具体的な方法を、総合型選抜・学校推薦型選抜対策の観点から解説します。

「将来の夢がない」は珍しいことではない

総合型選抜や学校推薦型選抜の志望理由書というと、「将来こういう職業に就きたいから、この学部を選びました」という書き方を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、高校生の時点で将来の職業や夢が明確に定まっている人のほうが、実は少数派です。

進路指導の現場でも、次のような声はよく聞かれます。

こうした状態は決して不利なことではありません。大学の入試担当者が志望理由書で本当に見ているのは、将来の夢の有無ではなく、学びに向かう姿勢や思考の一貫性です。この点は、逆転合格を支える志望理由書:評定より「一貫性」が評価される理由でも詳しく取り上げていますので、あわせて参考にしてください。

なぜ「夢から書く」構成でつまずくのか

従来よく指導される志望理由書の型は、次のような順番です。

  1. 将来の夢・目標を書く
  2. その夢を実現するために大学で学びたいことを書く
  3. 学びたいことがその大学・学部にある理由を書く

この型は夢が明確な人にとっては書きやすい一方、夢が定まっていない人がこの順番で書こうとすると、最初の一文から詰まってしまいます。無理に夢をひねり出すと、次のような弊害が起こりがちです。

夢が先にあって、そこから逆算する構成は、あくまで「型の一つ」に過ぎません。夢が定まっていない受験生には、別の入口が必要です。

「問い起点」構成とは何か

そこでおすすめしたいのが、将来の夢ではなく「学問的な問い」を起点にする構成です。「問い」とは、あなたが日常や学校生活の中で感じた「なぜだろう」「もっと知りたい」という素朴な疑問のことです。

従来型と問い起点型を比較すると、次のようになります。

比較項目夢起点の構成問い起点の構成
出発点将来の職業・夢日常で感じた疑問・興味
向いている人将来像が明確な人夢がまだ定まっていない人
弱点夢が先行し中身が薄くなりやすい抽象的なままだと説得力が弱まる
評価されやすい点目的意識の明確さ思考の深まりと一貫性

問い起点の構成では、「なぜ夢がないのか」を無理に説明する必要はありません。かわりに、「自分は何に対して疑問を持ち、どう考えを深めてきたか」を丁寧に描くことで、学びへの姿勢を伝えることができます。

問い起点で書く4つのステップ

問い起点の志望理由書は、次の4つのステップで組み立てると整理しやすくなります。

  1. きっかけを具体化する:授業、ニュース、部活動、地域の出来事など、疑問を持った具体的な場面を思い出す
  2. 問いの形にする:「なぜ〜なのだろう」「〜はどう解決できるのだろう」という一文にまとめる
  3. 大学での学びと接続する:その問いを深めるための授業・研究室・カリキュラムを調べて結びつける
  4. 入学後・その先の展望を添える:明確な職業でなくても、「この学部で学んだ先に何を考えていきたいか」という方向性を示す

4のステップでは、無理に将来の夢を断定する必要はありません。「現時点では〇〇の分野に関心があり、大学での学びを通じて自分の進む道を見極めたい」というように、正直に「模索中である」ことを示す書き方も十分に評価対象になります。

学問的な問いの見つけ方

問いを見つけるといっても、何から手をつければよいか迷う人も多いはずです。以下のような身近な切り口から探してみましょう。

活動実績が少ないと感じている場合でも、問いは日常の小さな疑問から十分に立てられます。この点については活動実績が少なくても書ける志望理由書のつくり方|オンライン指導の視点からで具体的な例を紹介していますので、参考にしてみてください。

アドミッションポリシーとの接続を忘れずに

問いを立てたら、その問いをその大学・学部で学ぶ意味につなげる必要があります。ここで重要になるのがアドミッションポリシー(大学が求める人物像や学びの方針)との接続です。

同じ「なぜ地域の人口減少が起きるのか」という問いでも、経済学部・社会学部・地域政策系の学部など、アプローチの仕方は学部によって異なります。志望する学部が、その問いをどのようなカリキュラムや視点で扱っているのかを募集要項やシラバスで確認し、志望理由書の中で具体的に触れることで説得力が高まります。

アドミッションポリシーの調べ方や出願校の絞り込み方については、アドミッションポリシーの調べ方と読み解き方:出願校リストのつくり方で詳しく解説しています。あわせて、総合型選抜そのものの仕組みを確認したい方は総合型選抜とは何かのページもご覧ください。

文字数別に見る問い起点構成の書き方

志望理由書は大学によって指定文字数が異なります。問い起点構成でも、文字数に応じて配分を調整する必要があります。

文字数問いの深掘り大学での学びとの接続展望・結び
800字程度簡潔に1〜2文中心的に厚めに書く短くまとめる
1000字程度やや具体的に学部の特徴を複数挙げる一文で明確に
2000字程度背景を含め丁寧に授業・研究室名まで具体化展望を段落として展開

また、書き出しと結びの部分は特に印象を左右します。問い起点の構成であっても、冒頭でいきなり抽象的な問いだけを提示すると読み手に伝わりにくいことがあるため、志望理由書の書き出し例|引き込む型と避けたい定型文志望理由書の結びの書き方|意欲が伝わる締め方の型もあわせて確認しておくと安心です。

制度面で押さえておきたいこと

総合型選抜・学校推薦型選抜は、文部科学省が定める大学入学者選抜実施要項の枠組みに沿って、実施時期の共通ルールが設けられています。一般的に、総合型選抜は9月以降に出願が始まり、学校推薦型選抜は11月以降に出願が始まる形が広く採用されています。ただし、出願要件・評定平均の基準・提出書類の内容・選考方式の名称などは大学・学部ごとに大きく異なり、年度によって変更されることもあります。志望理由書を書き始める前に、必ず志望大学の公式の募集要項で最新情報を確認してください

出願直前になって時間が足りないと感じた場合の進め方については、出願直前でも間に合う?志望理由書をオンライン添削で仕上げる短期集中の手順も参考になります。また、学校推薦型選抜では自己推薦書の提出を求められることもあり、志望理由書との書き分けに迷う人もいます。その違いについては自己推薦書と志望理由書の違いとは?書き分けのポイントを推薦入試の専門塾が解説で整理していますので、あわせてご確認ください。

よくある質問

将来の夢が全くないのですが、それでも出願していいのでしょうか

問題ありません。大学の入試担当者が見ているのは、将来の夢の有無そのものではなく、学びに対する姿勢や、志望理由の中で語られる思考の一貫性です。夢がなくても、問いを起点にした構成であれば十分に説得力のある志望理由書を書くことができます。

面接で「将来の夢は何ですか」と聞かれたらどう答えればよいですか

無理に夢を作り上げる必要はありません。「現時点では〇〇に関心があり、大学での学びを通じて考えを深めていきたい」というように、正直に模索中であることを伝えたうえで、その根拠となる問いや興味を具体的に説明すると誠実な印象になります。

問いが漠然としていて、うまく具体化できません

最初から完璧な問いを立てる必要はありません。まずは気になったニュースや授業の一場面など、具体的なエピソードを書き出してみることから始めると、そこから自然と問いの形が見えてくることが多いです。一人で行き詰まる場合は、第三者に相談しながら整理していくのも一つの方法です。

まとめ

無料受験相談のご案内

エクシオアカデミーは、総合型選抜・学校推薦型選抜専門の完全オンライン塾で、全国どこからでも受講いただけます。「将来の夢がまだ定まっていない」という段階からでも、問いの整理や志望理由書の構成づくりについて相談することができます。まずは無料受験相談で、現在の状況や不安な点をお聞かせください。無料受験相談を予約する

この記事の監修者

エクシオアカデミー 教務部

監修責任者:代表講師 髙久大輝

総合型選抜・学校推薦型選抜の指導を担当する教務部が、公開前に内容を確認したうえで掲載しています。年度で変わる入試情報は断定を避け、必ず大学公式の募集要項の確認をご案内しています。

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