志望理由書600字の構成テンプレと例文・削り方

監修:エクシオアカデミー 教務部

志望理由書を「600字程度」と指定されると、短いので楽だと感じたまま書き始め、途中で入りきらないことに気づく、という順序をたどりがちです。600字で書けるのは、一つの問いと、その問いをこの学部で扱う理由にほぼ限られます。結論として、配分は結論60字・きっかけと問い150字・調べた結果と限界240字・大学での研究150字を目安にします。将来の職業像や二つ目の活動を入れる余地はありません。この記事では、この配分と常体で書いた例文、800字の原稿から削るときの順番を扱います。

600字はどのくらいの分量か

原稿用紙1枚半です。Web出願の入力欄で「600字以内」と指定されることが多く、その場合は9割にあたる540字以上を目安にします。

指定の書き方目安
600字程度550〜600字
600字以内540〜600字
500〜600字580字前後

短い指定ほど、書く前に何を捨てるかを決めておく必要があります。書きながら削ろうとすると、たいてい後半の大学に関する部分が犠牲になり、どの大学にも出せる書類になってしまいます。

600字の段落配分テンプレート

段落その段落の役割字数目安
①結論何を明らかにしたいのかを1文で50〜70字
②きっかけと問い場面を1〜2文、問いを1文130〜170字
③調べた結果と限界自分で確かめたことと、そこで残ったこと220〜260字
④大学での研究限界をどう埋めるか。この学部である理由130〜170字

800字の配分と比べると、社会の問題としての位置づけを独立させる余裕がなく、③の冒頭に1文で織り込むことになります。一方で、③そのものは削りません。自分で調べた範囲と、そこで届かなかった範囲を書けているかどうかが、600字でも評価の分かれ目になるためです。

読み手が600字で確かめられるのは、関心が本物かどうかと、なぜこの学部なのかの二点です。この二点に②③④の9割を使う設計と考えてください。段落の切り方そのものに迷う場合は志望理由書の段落構成|何段落で書くか字数別の分け方を参照してください。

注釈つき例文(約600字)

4段落を埋めた例文です。志望理由書は「だ・である」の常体で書きます。 ①〜④は上の表と対応しています。大学名・学部名は伏せています。

①私は、部活動の運営が指導者の裁量にどこまで委ねられているのかを明らかにしたいと考え、貴学△△学部を志望する。

②所属する吹奏楽部では、平日の練習が三年間で少しずつ延び、下校時刻の直前まで続くようになった。誰かが決めた形跡はなく、前年の形が引き継がれていた。練習時間は、誰がどのように決めているのか。この疑問が出発点である。

③スポーツ庁が示している運動部活動の在り方に関する指針では、活動時間の上限が目安として示されている。しかし文化部を含めた運用は各校に委ねられている部分が大きい。私は同じ市内の高校5校の生徒に、部活動の終了時刻と、時間を決めている主体を尋ねた。終了時刻には最大で50分の差があり、決定主体を「顧問」と答えた生徒が大半であった。ただし、5校という範囲では、この差が学校の方針によるものか個々の顧問の判断によるものかを切り分けられない。

④貴学△△学部では、教育制度を法と組織運営の両面から扱うと理解している。私に足りないのは、裁量がどこで生じるのかを制度の側から説明する枠組みである。貴学で学び、生徒の活動時間が学校ごとに開く条件を明らかにしたい。

②は約150字で、場面を2文、問いを1文にしています。③は約240字で、公的な指針に触れて社会の問題として位置づけ、自分で聞いた結果を数字で示し、最後に「切り分けられない」という限界で終えています。④は限界と学部の学びを対応させています。将来の職業には触れていません。600字ではここまでで足ります。

800字の原稿を600字に削るときの順番

削る順番によって、仕上がりが変わります。字数を一律に圧縮するのではなく、段落ごと落とす判断が必要です。

順番削る対象削れる字数の目安
1導入の前置き(「私は幼い頃から」など)30〜50字
2きっかけの情景描写(天気・気持ち・会話)40〜60字
3将来の職業像50〜80字
4二つ目のエピソード60〜100字
5結びの独立した段落30〜50字

一方で、削ってはいけないものが三つあります。②の問いの一文、③の「それでも分からなかったこと」、④の学部の学びとの対応です。この三つを落とすと、600字に収まってはいても、志望理由書として成立しなくなります。

逆に600字から800字に伸ばす場合は、社会の問題としての位置づけを独立させ、③の根拠を厚くするのが自然です。800字の配分は志望理由書800字の構成テンプレと例文・時間配分で、さらに短い400字の指定については志望理由書400字の構成テンプレと例文・削り方で扱っています。

600字でよくある失敗パターン

将来の職業が固まっていない人ほど、600字は書きやすい字数です。夢ではなく問いを起点にする考え方は将来の夢がない人の志望理由書|問い起点の構成法で扱っています。

書き上げるまでの手順

  1. 要項で字数の指定方法・設問文・改行の扱いを確認する
  2. きっかけの場面から「なぜ」を1文にする
  3. 自分で調べられる範囲を決めて実行し、統制できなかった条件を記録する
  4. 志望校の学びが3の限界に対応しているかを確認する
  5. いったん800字で書き、600字に削る
  6. 第三者に「削った後も④が残っているか」を中心に読んでもらう

5で最初から600字を狙わないのは、削る作業のほうが何が必要かを判断しやすいためです。先に短く書くと、削るべき前置きが残り、残すべき限界が最初から書かれない状態になりがちです。

字数の指定や設問は大学・学部・入試方式で異なり、年度によって変わります。出願の際は必ず最新の募集要項を確認してください。

よくある質問

600字以内で500字しか書けません

9割にあたる540字以上を目安にしてください。足りない場合は、③に自分で確かめた結果を1文、④に学部の学びとの対応を1文足します。前置きや情景描写で埋めると、かえって内容が薄く見えます。

600字に将来の職業を書かなくてよいですか

書かなくてかまいません。600字で確かめられるのは、関心が本物かどうかと、なぜこの学部かの二点です。将来像は面接で聞かれたときに答えられるよう準備しておけば足ります。

600字を1段落で書いてもよいですか

分けることをおすすめします。1段落600字は、読み手が内容の切れ目を追えません。Web出願で改行が字数に含まれる場合は、空行を入れずに改行だけで区切ってください。

まとめ

無料受験相談のご案内

エクシオアカデミーは、総合型選抜・学校推薦型選抜を専門とする完全オンラインの塾で、全国どこからでも受講できます。600字は、書く力よりも捨てる判断で差がつく分量です。手元の原稿のどこを残すべきか迷っている方は、無料受験相談を予約するからご相談ください。

この記事の監修者

エクシオアカデミー 教務部

監修責任者:代表講師 髙久大輝

総合型選抜・学校推薦型選抜の指導を担当する教務部が、公開前に内容を確認したうえで掲載しています。年度で変わる入試情報は断定を避け、必ず大学公式の募集要項の確認をご案内しています。

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