関関同立の総合型選抜|4大学の併願可否と方式の選び方
監修:エクシオアカデミー 教務部
関関同立は、関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学の4校をまとめた通称です。関西の難関私大として並べて語られますが、総合型選抜の設計を見ると、4校のなかで最も差が大きいのは「出願したあと、どこまで自由が残るか」です。
同志社大学は要項のQ&Aで「専願制ではない」と明言しています。一方の関西学院大学は、全方式が第一志望・入学確約で、審査日以降は合否にかかわらず辞退できません。同じ大学群の総合型選抜でありながら、出願がもたらす拘束力は正反対です。
この記事では、2027年度の各大学公式要項にもとづいて4校を比較し、どの方式を選ぶべきかの判断軸まで整理します。方式ごとの出願条件・日程の一覧は各大学ページにまとめてあります。
4大学の比較
| 大学 | 名称 | 出願の縛り | 構造 |
|---|---|---|---|
| 同志社大学 | AO入試/自己推薦入学試験 | 要項が「専願制ではない」と明言 | 商学部のAO入試+9学部の自己推薦 |
| 関西大学 | AO入試 | 入学確約の条項なし・出願は1学部のみ | 全13学部を1冊・同一日程 |
| 立命館大学 | AO選抜 | 併願可 | 学部ごとに方式名も選考も異なる |
| 関西学院大学 | 探究評価型ほか4種類 | 全方式が第一志望・入学確約 | 探究評価型・グローバル・学部特色・スポーツ |
評定基準は4校とも学部・方式によって分かれます。専願と併願の考え方そのものを整理したい方は、総合型選抜の専願と併願の違いを先にお読みください。
同志社大学:関関同立で最も併願しやすい
同志社大学の総合型選抜は、商学部フレックス複合コースのAO入試と、9学部で実施する自己推薦入学試験の2本立てです。
この大学の最大の特徴は、要項のQ&Aで「専願制ではない」と明言していることです。総合型選抜は専願が原則という思い込みを持っている受験生は多いのですが、同志社に関してはその前提が当てはまりません。関関同立のなかで最も併願しやすい設計だと言えます。
自己推薦入学試験を実施しているのは、神学部、社会学部(社会福祉・メディア・産業関係・教育文化)、法学部、経済学部、文化情報学部、生命医科学部医情報学科、スポーツ健康科学部、心理学部、グローバル・コミュニケーション学部です。
評定基準は学科によって幅があります。法学部は4.0、経済学部は3.4、スポーツ健康科学部は3.2で、それ以外は基準を設けていない学科もあります。法学部の4.0はかなり高い水準なので、志望する場合は早い段階から評定を意識しておく必要があります。
英語資格が効いてくる学科もあります。商学部のAO入試とグローバル・コミュニケーション学部の英語コースは英検準1級相当が目安になり、心理学部は準2級相当が求められます。どこまで取ればよいかは総合型選抜に英検は何級必要かで確認してください。
学科ごとの条件は同志社大学の総合型選抜ページにまとめています。
関西大学:全13学部が1冊・同じ日程
関西大学のAO入試は、全13学部を1冊の要項にまとめた全学一括方式です。日程も全学部で共通になっており、関関同立のなかで最も構造が分かりやすい大学です。
そして重要なのが、入学を確約させる条項が要項にない点です。出願できるのは1学部だけという制約はありますが、他大学との併願を妨げられてはいません。第一志望が別にある状態でも出願できる設計です。
一方で「出願は1学部のみ」という制約は、思っている以上に重い判断を迫ります。全13学部が同じ日程で動くため、どの学部から出すかを一度決めたら変更が効きません。学部選びそのものが戦略になります。
評定基準は多くの学部で3.5、外国語学部は3.8が目安です。英語資格は、商学部と政策創造学部が英検準1級相当を求めるなど、学部によって水準が分かれます。
このほか、全13学部を対象としたSF入試(スポーツフロンティア入試)も実施しています。競技実績のある受験生にとっては別ルートとして検討する価値があります。
学部ごとの条件は関西大学の総合型選抜ページで確認できます。
立命館大学:方式選びで合否が分かれる
立命館大学の総合型選抜は「AO選抜」という名称で、学部ごとに方式名も選考内容も異なります。要項が3種類あり、出願も5期に分かれているため、関関同立のなかでは最も全体像が掴みにくい大学です。
ただし骨格は共通しています。第1次が書類選考、第2次が方式ごとの試験という二段階です。
方式の顔ぶれを見ると、立命館が何を測ろうとしているかがよく分かります。
- 映像学部:プレゼンテーション方式(映像撮影型/絵コンテ作画型)
- 政策科学部:政策科学セミナー方式
- 国際関係学部:国際関係学専攻講義選抜方式
- 総合心理学部:UNITE Program® データサイエンス方式
- 経済学部・経営学部:英語重視方式
- 文学部:国際方式(英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・中国語・朝鮮語)/人文学プロポーズ方式
- デザイン・アート学部:総合評価方式(視覚表現型/ポートフォリオ型)
- 理工学部:理工セミナー方式/生命科学部:探究活動評価方式
つまり立命館では、「立命館の総合型対策」ではなく「その方式の対策」をすることになります。映像撮影型なら実際に映像を撮る、セミナー方式なら講義を聞いて論じる練習をする、というように、準備の中身が方式ごとに完全に別物です。
英語重視方式(経済・経営)と国際関係学専攻講義選抜方式は英検2級相当が目安、産業社会小論文方式は評定3.5が基準になります。
方式ごとの選考内容は立命館大学の総合型選抜ページにまとめています。
関西学院大学:辞退できない入試
関西学院大学の総合型選抜は、探究評価型・グローバル・学部特色・スポーツ選抜の4種類です。
この大学については、制度の説明より先に伝えるべきことがあります。全方式が第一志望・入学確約型で、審査日以降は合否にかかわらず辞退できません。合格したら入学するという意味だけでなく、審査を受けた時点で引き返せなくなる設計です。
したがって関学の総合型選抜は、覚悟が前提の入試です。「関学も受けておくか」という発想での出願はできません。逆に言えば、この条件が併願層をふるい落としてくれるため、本気で関学を目指す受験生にとっては戦いやすい面もあります。
4方式のうち、最も間口が広いのが探究評価型入学試験で、全11学部(神・文・社会・法・経済・商・人間福祉・国際・教育・総合政策・理工系)で実施しています。評定3.5以上が基準です。高校での探究活動をそのまま評価対象にできるため、探究に力を入れてきた受験生には相性が良い方式です。
学部特色入学試験は全12学部(神・文・経済・商・人間福祉・国際・教育・総合政策・理・工・生命環境・建築)で実施し、学部ごとに独自の評価軸を持ちます。このほか全学部対象のグローバル入学試験とスポーツ選抜入学試験があります。
方式ごとの条件は関西学院大学の総合型選抜ページで確認できます。
どの大学から出願すべきか
4校の設計を踏まえると、判断は次のように整理できます。
第一志望が別にあり、併願で押さえたい場合は、同志社と関西大学が候補になります。同志社は「専願制ではない」と要項が明言しており、関西大学には入学確約の条項がありません。国公立志望の受験生が年内に私大を確保しておく、といった使い方が成立します。
関学が第一志望の場合は、探究評価型が本命です。ただし辞退できない条件を受け入れられるかどうかを、出願前に家族と話し合っておいてください。この一点だけは後から取り消せません。
自分の強みが明確な場合は、立命館の方式選びが効きます。映像、デザイン、データサイエンス、語学、探究活動と、評価してもらえる入口が細かく用意されているため、汎用的な受験勉強では測れない力を持っている受験生ほど有利になります。
学部選びから決めたい場合は、関西大学の全13学部一括という構造が扱いやすくなります。1冊の要項で全学部を比較できるため、出願校リストをつくる段階の作業が短く済みます。
対策の進め方
4校に共通する準備の順序は次のとおりです。
- 辞退できるかどうかを最初に確認する。関学は審査日以降に辞退できません。ここを最後に確認すると出願計画が崩れます
- 志望学部と方式を1つに絞る。特に立命館は方式ごとに準備の中身が別物です
- 評定平均を計算する。同志社法学部の4.0、関大外国語学部の3.8のように、高い基準を置く学科があります
- 英語資格の要否を確認する。同志社商学部・グローバルコミュニケーション学部、関大商学部・政策創造学部などは準1級相当が目安です
- 第2次選考の形式に合わせて練習する。プレゼン、講義聴講、小論文、ポートフォリオと形式が分かれます
評定平均の計算方法は評定平均の出し方、大学が求める人物像の読み解き方はアドミッションポリシーの調べ方と読み解き方で解説しています。プレゼンテーション形式の選考が課される場合は、プレゼンテーション対策もあわせてお読みください。
出願前に必ず確認してほしいこと
この記事は2027年度の各大学公式要項にもとづいていますが、方式・募集人員・日程・出願資格・評定基準は年度によって変更されます。出願前には必ず志望校の最新の募集要項でご確認ください。
関関同立で特に注意が必要なのは次の2点です。
- 拘束力の強さが大学ごとにまったく違う。「関関同立の総合型は専願」も「併願できる」も、どちらも成り立ちません
- 立命館は方式の数が多い。要項が3種類、出願も5期に分かれているため、自分が見ている要項が志望学部のものかを必ず確認してください
関関同立は、関西だけでなく全国から志望者が集まる大学群です。総合型選抜という入口は、一般選抜とは別の物差しで評価してもらえる場でもあります。まずは「辞退できるか」「評定は足りるか」「その方式で何を測られるか」の3点を確認するところから始めてください。
この記事の監修者
エクシオアカデミー 教務部
監修責任者:代表講師 髙久大輝
総合型選抜・学校推薦型選抜の指導を担当する教務部が、公開前に内容を確認したうえで掲載しています。年度で変わる入試情報は断定を避け、必ず大学公式の募集要項の確認をご案内しています。