日東駒専の総合型選抜|4大学の実施学部と専願・併願を比較

監修:エクシオアカデミー 教務部

日東駒専は、日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学の4校をまとめた通称です。首都圏の中堅私大として志望者が非常に多く、総合型選抜でも激戦になりやすい大学群です。

ただし、総合型選抜という切り口で見ると、4校は受け皿の広さがまったく違います。日本大学は15学部で実施している一方、専修大学は4学部でしか実施していません。志望学部によっては、そもそも総合型選抜という選択肢が存在しないのです。

そしてもう一つ、東洋大学には10月の専願入試に落ちても11月に再挑戦できる公式ルートがあります。この設計を知っているかどうかで、年内入試の組み立て方が変わります。

この記事では、2027年度の各大学公式要項にもとづいて、4校を比較します。方式ごとの出願条件・日程は各大学ページにまとめてあります。

4大学の比較

大学実施範囲専願か併願か選考の型
日本大学15学部(医・歯を除く)学部ごとに異なる(明文化は法学部のみ)学部ごとに別の入試
東洋大学全学部規模専願系+併願可の基礎学力テスト型AO型推薦・自己推薦・学力テスト
駒澤大学全学部(総合評価型)どちらも専願小論文+面接/資格実績+面接
専修大学4学部のみ他大学の受験は可・入学確約型一次書類→二次面接等

専願と併願の考え方を整理しておきたい方は、総合型選抜の専願と併願の違いを先にお読みください。

日本大学:16学部の総合大学、ただし「学部ごとに別の入試」

日本大学は16学部を擁する総合大学で、総合型選抜は2027年度に15学部で実施しています(医学部・歯学部を除く)。日東駒専のなかでは圧倒的に受け皿が広い大学です。

ただし、ここに最大の落とし穴があります。日本大学の総合型選抜は学部ごとの独自要項で、全学共通の制度がありません。「日本大学の総合型選抜」という一つの入試は存在せず、法学部の入試、経済学部の入試、芸術学部の入試が、それぞれ別々に設計されているのです。

専願か併願かを要項で明文化しているのは法学部だけです。法学部の総合型選抜「CL方式」には、法学部専願型と他大学併願型という2つの型が用意されています。他の学部については、要項に明文がない場合が多いため、出願前に各学部の入試担当へ確認するのが確実です。

倍率の幅も極端です。2026年度は主要13学部の合算で受験3,281名に対して合格1,744名でしたが、学科単位では心理系の15.0倍から工学系の1.0倍台まで開きがあります。「日大の総合型は◯倍」という平均値には、ほとんど意味がありません。志望学科の数字を直接見てください。

倍率の正しい読み方は総合型選抜の倍率の調べ方で解説しています。学部ごとの実施状況は日本大学の総合型選抜ページにまとめています。

東洋大学:10月に落ちても11月に再挑戦できる

東洋大学の年内入試は、専願系と併願可の二本立てという明快な構造になっています。

専願系は、AO型推薦入試(公募制)、自己推薦入試(公募制)、そして「独立自活」支援推薦入試の3つ。併願可なのが基礎学力テスト型入試です。

ここで知っておきたいのが、この2つが時期でつながっている点です。10月に専願系で挑戦し、不合格だった場合でも、11月29日の基礎学力テスト型で再挑戦できるという公式のルートが用意されています。年内入試は一発勝負になりがちですが、東洋にはやり直しの余地があるのです。専願で本命に挑みつつ、落ちても次があるという構えを取れます。

もう一つ、東洋大学には他大学にほとんど例のない制度があります。「独立自活」支援推薦入試です。これは学校推薦型選抜で、評定4.3以上が必要ですが、検定料免除・学費半額給付・寮の用意という支援がセットになっています。経済的な事情で進学を諦めかけている受験生にとって、検討する価値のある制度です。

基礎学力テスト型は全学部横断で、学科・方式ごとに受験科目が指定されます。学力で勝負できるタイプの受験生には、併願可という条件と合わせて有力な選択肢になります。

方式ごとの詳細は東洋大学の総合型選抜・学校推薦型選抜ページで確認できます。

駒澤大学:総合評価型か特性評価型かの二択

駒澤大学の総合型選抜は「自己推薦選抜」という名称で、総合評価型と特性評価型の2本立てです。どちらも専願なので、駒澤を第一志望にできるかどうかが最初の分かれ道になります。

総合評価型は全学部(仏教・文・経済・法・経営・医療健康科・グローバルメディアスタディーズ)で実施し、募集221名。選考は小論文と面接です。2026年度は志願689名に対して合格236名、およそ2.9倍でした。

特性評価型は資格や実績を評価する方式で、募集98名。実施は仏教・文(英米文・歴史・社会)・経済(経済・商)・グローバルメディアスタディーズの各学科です。二次選考をオンラインで受けられるのが大きな利点で、遠方からでも出願しやすくなっています。2026年度は志願174名に対して合格100名、およそ1.7倍と、総合評価型より通りやすい水準でした。

つまり駒澤の戦略は明確です。資格や実績が手元にあるなら特性評価型、書く力と話す力で勝負するなら総合評価型。どちらの持ち駒が強いかを冷静に判断してください。小論文で勝負する場合の準備は小論文の基本構造から始めるのが確実です。

学部ごとの実施状況は駒澤大学の総合型選抜ページにまとめています。

専修大学:4学部限定、そのかわり方式を選べる

専修大学の総合型選抜は、4学部でしか実施していません。対象は次のとおりです。

法学部や文学部を志望している方にとって、専修大学の総合型選抜という選択肢は存在しません。ここは最初に確認しておくべき点です。

出願形式は確約型です。他大学との併願は認められていますが、合格したら専修大学のその学部に入学することが前提になります。「受かったら考える」という出願はできません。

一方で、実施している4学部には共通の特徴があります。方式選択制です。経済学部国際経済学科は3方式、ネットワーク情報学部は3つの型から選べる設計になっており、どの入口から入るかが戦略の中心になります。自分の強みが語学なのか、探究活動なのか、制作物なのかによって、選ぶべき方式が変わります。

選考は一次が書類、二次が面接等の二段階です。なお経営学部は評定3.8以上という基準があります。方式ごとの条件は専修大学の総合型選抜ページで確認できます。

出願校をどう組むか

4校の設計を踏まえると、判断は次のように整理できます。

併願しながら年内に押さえたい場合、現実的な選択肢は東洋大学の基礎学力テスト型です。日東駒専のなかで、併願可であることが要項で明確な方式はここが中心になります。日本大学は法学部のCL方式に他大学併願型があるため、法学部志望であれば併願の選択肢が取れます。

第一志望が決まっている場合は、選択肢が一気に広がります。駒澤の自己推薦選抜、東洋の専願系、専修の各方式、そして日本大学の各学部。専願であることを引き受けられるなら、日東駒専は年内に決着をつけやすい大学群です。

志望学部から逆算する場合、まず実施の有無を確認してください。法学部を志望するなら日本大学(CL方式)と駒澤大学、専修は対象外です。情報系を志望するなら専修のネットワーク情報学部が選択肢に入ります。芸術系なら日本大学の芸術学部です。

評定に自信がない場合は、東洋の「独立自活」支援推薦(4.3以上)や専修の経営学部(3.8以上)のような高い基準を避け、評定を出願条件にしていない方式を探すことになります。自分の評定がどこまで届くかは評定平均の出し方で確認してください。

対策の進め方

4校に共通する準備の順序は次のとおりです。

  1. 志望学部でその大学が総合型選抜を実施しているかを確認する。専修のように4学部限定の大学があります
  2. 専願か併願かを要項で確認する。日本大学のように学部ごとに扱いが違う大学では、大学単位で覚えると事故になります
  3. 選考の型に合わせて練習を始める。小論文(駒澤の総合評価型)、学力テスト(東洋の基礎学力テスト型)、面接とプレゼン(専修)で必要な準備が違います
  4. 手持ちの資格・実績を棚卸しする。駒澤の特性評価型のように、実績そのものが評価軸になる方式があります
  5. 日程を並べて、不合格だった場合の次の一手を決めておく

東洋大学のように再挑戦のルートがある大学もあれば、一発勝負の大学もあります。不合格だった場合にどう動くかは、出願前に考えておいてください。総合型選抜に落ちたらどうするで、その後の選択肢を整理しています。

出願前に必ず確認してほしいこと

この記事は2027年度の各大学公式要項にもとづいていますが、実施学部・募集人員・日程・出願資格は年度によって変更されます。出願前には必ず志望校の最新の募集要項でご確認ください。

特に日東駒専で注意が必要なのは次の2点です。

日東駒専は志望者が非常に多く、総合型選抜でも実質的な競争は決して緩くありません。ただし4校の設計はそれぞれ違うため、自分の持ち駒(評定・資格・実績・学力)がどの入試で最も評価されるかを見極めれば、勝ち筋は必ず見つかります。

この記事の監修者

エクシオアカデミー 教務部

監修責任者:代表講師 髙久大輝

総合型選抜・学校推薦型選抜の指導を担当する教務部が、公開前に内容を確認したうえで掲載しています。年度で変わる入試情報は断定を避け、必ず大学公式の募集要項の確認をご案内しています。

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